支援職員の配置

一般的な業務ラインの中で仕事の指示・指導を受けて働いている障害のあるスタッフもたくさんいますが、一方で、指示・指導をする一般の職員にとっては、自分自身の業務を行いながら、こうした指示・指導をすることが過度な負担と感じる場合もあります。こうした無理が重なると、結果的には障害のあるスタッフが安定的に働くことが困難になります。

このため、知的障害や精神障害のあるスタッフをある程度まとまって雇用する病院では、指示・指導を担当する専任の支援職員を配置していることが多いです。具体的な業務内容としては、関係部門から発注してもらう仕事を開拓し、作業工程を整理して分かりやすく指示し、作業の出来栄えを確認するといった作業です。こうした専任の支援職員は、ジョブサポーター、ジョブコーチ、支援員等の名称で配置されており、新たに外部から非常勤職員として採用したり、高齢者の再雇用人材の中から適任者を充てたりしています。支援職員の配置については、障害者雇用に伴うコストを軽減する助成措置として、一定の要件に該当すれば、障害者雇用安定奨励金が活用できます。この奨励金を受けるためには、支援職員が厚生労働大臣の定めるジョブコーチ研修(企業在籍型職場適応援助者養成研修)を修了していることが必要です。

なお、支援員の確保については、新規採用や再雇用のほか、アウトソーシング化した業務の従事者を充てるなど、医療機関の事情により様々な形態があるかと思います。いずれの場合でも、雇用支援業務の開始前に障害者理解に係る一定の知識を習得させるとともに、なるべく早く障害者職業生活相談員資格認定講習やジョブコーチ研修(企業在籍型職場適応援助者養成研修)等の外部研修を受講させるなど、支援業務に必要な知識・技術を習得できるようにし、安心して雇用支援業務に従事できるようにする必要があります。事前の障害者理解については、地域の障害者職業センターや地域の就労支援機関の協力を得ることができます。また、障害者職業生活相談員資格認定講習や企業在籍型職場適応援助者養成研修については、障害者職業センターに確認すると良いでしょう。