法定雇用率の見通し

民間の事業所に適用される法定雇用率は、平成25年4月に1.8%から2.0%に引き上げられましたが、精神障害者が法定雇用率の算定基礎に追加されるのに伴い、法定雇用率は平成30年4月1日に2.2%(独立行政法人等は2.5%)に引き上げられ、3年を経過する日より前に2.3%(同2.6%)に引き上げられることが決まりました。このため、現在は法定雇用率を達成している事業所でも、更に雇用を進めないと未達成状態になる可能性があります。

(参考)法定雇用率引き上げの影響

これに加え、医療機関では「除外率」の縮小に伴う実質的な法定雇用率の引き上げにも注意する必要があります。従来、医療業の「除外率」は50%でしたが、平成16年4月に「除外率」の制度は廃止され、現在は経過措置として存続している状態です。医療業の除外率は、平成16年4月に40%に引き下げられ、更に平成22年7月に30%に引き下げられました。除外率による下駄を外せば、現在2.0%を達成している事業所の実雇用率も、実態は1.4%に過ぎないことになります。今後、除外率は段階的にゼロに近づいていくので、除外率が適用されている医療業では、法定雇用率の達成に向けたハードルは他業種以上に高くなることに十分留意する必要があります。

(参考)法定雇用率の引き上げや除外率が廃止された場合の雇用必要数の増加パターン