仕事が合えば最初は半日勤務の週2日からでも

大規模な病院グループに属する関西地方の民間病院では、障害スタッフ14名のうち8名を精神障害のあるスタッフが占めています。この病院では、精神障害のあるスタッフをハローワーク経由で採用しており、支援機関が付いていることを採用条件にはしていませんが、実際には支援機関の支援を受けている方も多いようです。採用の際は、まず院内から候補となる業務を切り出し、それをまとめて例えば「事務補助」で職員を募集し、面接の中で具体的にどの職場の業務に合うかマッチングを検討します。

採用に際しては、想定した仕事の水準さえクリアできれば、最初は半日勤務の週2日からでも受け入れているそうです。週20時間未満の勤務では、障害者雇用率にカウントできませんが、業務とのマッチングさえ良ければ次第に働ける時間も長くなり、雇用率のカウントも可能になるので、長い目で見ているそうです。

総務課でホームページ作成を担当しているスタッフは、もともと資料のコピーを中心とした事務補助業務に応募しましたが、出版社でのパソコンを使ったデザイン作成経験があることが面接で分かり、ホームページ作成の業務があることを話したところ、本人も関心を示し、現在の業務になったそうです。パソコンでの仕事中の本人にお会いし、これまでに作ったチラシを幾つか見せていただきました。パソコンで作成した人物や植物のデザインは、パステル調の色合いで温かみがあり、とても素敵なものでした。チラシの内容に即したデザインを院内で作れるため、患者さん達からも親しみを持たれていて、病院の広報面での強みとなっているとの説明にも納得できました。