認定看護管理者教育課程サードレベル研修(令和2年9月18日)

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。研修には、JCHO病院を中心に大学病院や公立病院、民間病院13病院から14名の受講がありました。今年は、コロナウイルス感染症の影響で参加者も例年に比べて少なく、ソーシャルディスタンスに配慮して、例年実施しているグループワークも行いませんでした。講義では、医療現場で障害者雇用を進める意義や課題について説明するとともに、医療機関で実際に行われている障害者雇用の仕事を紹介しました。具体的な事例として、国立がん研究センター中央病院と東病院の事例もビデオ等で紹介するとともに、JCHO大阪病院での障害者雇用の取り組みの経緯を紹介しました。グループワークに替えて行った受講者から提出された質問回答に基づく意見交換では、昨年同様に自閉症スペクトラムの傾向のある看護師への対応が話題となりました。病棟勤務が難しかった人が手術室で落ち着いて働けるようになり、その後病棟に戻ってからも安定して働いている事例や、放射線科に異動してうまくいった事例の報告がありました。一方で、どうしても仕事が覚えられず、適当な異動先も見出せない中で、退職してもらうしかないと現場では考えている事例の報告もありました。こうした事例を抱えて苦労されている医療機関も少なくないようです。そのような場合でも、退職を促せばどうしても防御的・攻撃的になるので、まずは本人の立場に立って働き続けるための工夫を一緒に考える姿勢で臨み、色々工夫してもうまくいかないことを本人が納得した上で、自分の将来について適切な選択ができるよう支援することが大切でしょう。