医療機関に適用される除外率の縮小(労働政策審議会意見書)

厚生労働省の労働政策審議会は、障害者雇用分科会からの報告を受け、令和4年6月17日に厚生労働大臣に対し「今後の障害者雇用施策の充実強化について」意見書を提出しました。意見書では、雇用義務の対象となっていない週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者の就労機会の拡大のため、これらの障害者を事業主が雇用した場合に、特例的な扱いとして、実雇用率において算定できるようにすることなどが盛り込まれていますが、医療機関の障害者雇用に直接影響する「除外率」の見直しについても触れられています。

現在、医療機関の障害者雇用率を計算する際には、常用労働者数から30%を控除できる「除外率」の特例が経過措置的に適用されていますが、この「除外率」を30%から20%に10ポイント引き下げるというものです。

除外率の引き下げに伴い、法定雇用率を満たすために必要な雇用障害者数は増加することになります。厚生労働省では意見書の内容を踏まえ、障害者雇用制度の見直しを行う予定です。除外率の引き下げ時期については、若干の猶予期間が設けられる可能性はありますが、現在は法定雇用率を満たしている医療機関でも、不足数が生じることになるため、そのことも念頭に早目の対応をお勧めします。

(資料)

労働政策審議会障害者雇用分科会意見書(概要)[PDF形式:615KB]

労働政策審議会障害者雇用分科会意見書[PDF形式:511KB]