教育委員会の雇用事例に学ぶ

都道府県虚育委員会の障害者雇用のタイプは、大別すると「一般就労に向けて期間限定で訓練するチャレンジ雇用タイプ」と「働き方改革に資する期間制限のない安定雇用タイプ」の2タイプがあります。

教育委員会は組織内に特別支援学校があり、特別支援学校では卒業生の進路として一般就労での就職も目指していますが、卒業時点では一般就労できない生徒がいるのも事実です。このような者を卒業後に期間限定で雇用し、働くことを通じて一般就労できるだけの力を身につけさせていく方法としての障害者雇用は、教育委員会の役割の延長線で考えやすいもののようです。一般就労に向けて働く力を育てるためには、体力をつける取り組みや、ソーシャルスキルを身につける指導にも、積極的に取り組む必要があるでしょう。一方で、仕事は訓練のための素材という意味合いが強くなり、仕事のスピードや出来栄えはあまり期待できない面があります。1年〜2年で働く人が常に入れ替わっていくため、年々業務を拡大したり、仕事の質を仕上げることも難しくなります。

これに対して、教育委員会も事業所の一つという面に着目し、職員の行っている業務の中から定型的な業務を切り出して障害のあるスタッフに担ってもらうことで、職員の負担が軽減され職場全体の作業効率も向上するという、職員の「働き方改革」に資する障害者雇用もあります。この場合には、教育委員会で働くこと自体が一般就労であり、一定期間で職員を入れ替えるようなことはせず、スタッフのスキルや習熟度を高めて生産性を上げることが目指されます。

どちらのタイプの障害者雇用を目指すかは、教育委員会として判断すべきことですが、いずれのタイプの場合でも、片手間な指導体制では十分な効果は期待し難いと言えます。「一般就労に向けて期間限定で訓練するチャレンジ雇用タイプ」であれば、個々のスタッフごとに一般就労に向けた個別の指導計画を策定し、効果的な指導を行う必要があります。一方で「働き方改革に資する期間制限のない安定雇用タイプ」であれば、業務の切り出しやスタッフへの仕事の割り振りなどの調整を行うジョブコーチの存在が効果的でしょう。

以下に紹介する都道府県教育委員会の障害者雇用事例からは、こうした取り組みのヒントを見出すことができますので、参考にされてはどうでしょうか。

(資料)都道府県教育委員会の障害者雇用事例