実習生の声もマニュアルに反映

都内にある公立病院では、特別支援学校の生徒のインターンシップを初めて受け入れました。インターンシップでは、病院内の様々な作業を経験してもらうため、医療部門や事務部門から様々な作業が切り出されました。その上で、実習生が作業を行いやすいよう、各部門の実習担当者が作業手順等を写真入りで分かりやすく示す「作業マニュアル」を作成しました。

こうした病院側の事前準備もあってインターンシップの希望者は多くなり、2回に分けて行われました。最初のグループの実習が始まり、外来の待合の椅子を除菌シートで拭く作業については、看護部が作成した作業マニュアルに沿って、順調に作業が行われました。

実習生の作業を傍らで見守っていた実習担当者は、実習作業が終了したタイミングで、マニュアルの内容をより良いものにするにはどうすると良いか、実習生一人一人に意見を求めました。この問いかけに対して、実習生からは、除菌シートを引き出す際にキャスター付きのカートが動いてしまうので、予めキャスターのストッパーかけることにしてはどうか、という具体的な提案がありました。

この提案は取り入れられ、改良された作業マニュアルは、次のグループの実習生に使われることになりました。

マニュアルを実際に使う立場の実習生から意見を求め、共同作業で内容を改善していくことは、障害者雇用の現場ではとても大切なことです。こうした病院側の姿勢があれば、障害のあるスタッフが能力を発揮し、定着率の高い障害者雇用が実現できることでしょう。