技師長の前向きな姿勢で人材確保

障害のある人の中には、一度に複数のことを言われたり、口頭だけの説明だと理解できない人がいます。特に、精神障害、発達障害、知的障害については、こうした傾向のある人が多いようです。「何度言ってもできない」と、障害のある人の側に問題があるように言われている場合も、実は指示の仕方に問題がある場合が少なくありません。

初めて行う仕事を分かりやすく説明するためには、作業工程を細かく分解して、一つ一つの作業を文書だけでなく、図や写真も使って説明する作業マニュアルがあると効果的です。

東京都内の公立病院では、特別支援学校の生徒のインターンシップを受け入れるに当たり、障害のある職員に「やってもらうと助かる業務」を薬剤部門や検査部門で洗い出し、その業務について技師長自ら図や写真入りの作業マニュアルを作成しました。

部門のトップがマニュアルを作るなど前向きな姿勢で取り組むので、部下職員も自ずから受け入れに協力的になれたようです。こういう病院なら、インターンシップを行う学校や生徒からも選ばれ、人材の確保も容易になることでしょう。