全国就業支援ネットワークの研究・研修会での講演

特定非営利活動法人全国就業支援ネットワークの第23回定例研究・研修会が10月21日と22日の2日間にわたり、あべのハルカス(大阪市阿倍野区)で開催されました。1日目には、当ネットワークの依田が「障害者雇用のこれから〜制度発足20年の立ち位置と視座〜」をテーマに基調講演を行いました。

障害者就業・生活支援センターは、厚生省と労働省が2001年に統合されるのに先立ち、両省の統合メリットが一番あるのは、障害のある方の働く支援環境の整備であるとの意識の下に、1999年度に試行事業をスタートさせ、2002年の障害者雇用促進法の改正で制度化されたものです。現在では全国に338センターが設置され、地域における障害者の雇用・就労支援の基幹的な役割が期待されています。

研究・研修会の1日目には、株式会社パプアニューギニア海産代表取締役の武藤北斗さんの「多様な働き方」についての基調講演も行われました。パート21名、社員3名に社長という年商1億円ほどの会社ですが、パートの募集時には全国から応募が殺到するなど、その内容は興味深いものでした。関心のある方は、武藤さんの書かれた本「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」(イースト・プレス)をご覧ください。

2つの基調講演後には、NPO法人ディーセントワーク・ラボ代表理事の中尾文香さんから「それぞれに合った働き方を考える」をテーマとした講演があり、武藤さんの取り組みの意義について、ディヴィッド・コルブの「経験学習モデル」を紹介しながら説明されました。

制度発足から20年を迎えたタイミングで、支援する立場の側に対して、主催者から投げかけた「その働き方、幸せですか?」という問いかけは、多くの支援者の心に宿題を残したようでした。

(講演資料)「障害者雇用のこれから〜制度発足20年の立ち位置と視座〜」