気象庁「障害に関する理解の促進・啓発のための研修」での講演(2023年1月20日)

気象庁では障害者活躍推進計画において「庁内職員の障害に関する理解の促進・啓発のため、気象庁独自でも研修や講演会を行う」旨を定めており、本年度も研修会が開催され、「障害のある職員を受け入れることで進化する職場」をテーマにした講演を行いました。

研修会は昨年同様にteamsで行われましたが、気象庁本庁だけでなく、全国の管区気象台や地方気象台からもオンラインで100名以上の職員が参加されたほか、当日受講できない職員は講演録画を視聴できるようにされました。

講演後には意見交換の時間も設けられ、事前に提出された質問を中心に回答させていただきました。昨年暮れに改正された障害者雇用促進法で、事業主の努力義務に「職業能力の開発及び向上に関する措置」が追加されたことに関連して、職場での職業能力の開発について質問がありました。この質問に対しては、ここでいう「能力開発」は、必ずしも「仕事の種類」を増やすことではなく、個人の特性を踏まえて能力を最大限に生かして「職場の戦力」としていくことを意味する旨を説明しました。

「職場の戦力」となっていない背景には、障害の特性に合っていない仕事に従事させていたり、指示の仕方が適切でなかったりといった、本人以外に原因がある場合も少なからずあります。そうした状態を放置するのではなく、うまくできない原因を本人とともに探り、能力を発揮できるような仕事の種類変更や作業方法の改善について一緒に考え「職場の戦力」としていくことが、能力開発の目的と言えるでしょう。

気象庁では、こうした研修を全職員を対象に行うことで、障害のある職員が普通に一緒に働ける職場の文化を醸成することを目指しています。こうしたこともあって、次のステップとして「国機関職員の職場適応援助者養成セミナー」で障害者雇用に役立つ知識技術を学ぶ職員も、他省庁に比べて多い状況です。こうした取組は、公務部門の他の職場でも是非参考にしていただきたいです。