第51回日本職業リハビリテーション学会島根大会が2024年8月23日、24日に松江テルサ(島根県松江市)で開催され、24日午後には「公務部門における障害者雇用の取り組みー今後、求められる支援者像ー」をテーマにした自主ワークショプが行われました。このワークショップは、岡山県職場定着支援トータルアドバイザーの宇野京子さんが企画したもので、指定討論者である一般社団法人職業リハビリテーション協会代表の松為信雄さんの司会で進行しました。最初に宇野さんから企画趣旨の説明があり、続いて話題提供者として、内閣官房内閣総務官室上席障害者雇用専門支援員の加藤公一さんが内閣官房における障害者雇用の取り組み、宇野さんが岡山県知事部局における障害者雇用の取り組みについて、それぞれ報告しました。その後、公務部門の障害者雇用情報サイトの管理者である依田が指定討論者として、「公務部門における障害者雇用の取り組み」について補足説明をしました。補足説明では最初に「公務部門の障害者雇用マニュアル」(内閣官房内閣人事局・厚生労働省・人事院)について紹介しました。
「公務部門の障害者雇用マニュアル」(内閣官房内閣人事局、厚生労働省、人事院:令和6年1月改訂)
公務部門で障害者雇用を進める上で、活用できる制度や推奨される取り組みを詳細に解説した内容の充実したマニュアルが既に各省庁に対して示され、地方公共団体にも総務省から情報提供されているのですが、現場であまり認識されず活用されていないのは、大変残念なことです。今後は、こうしたマニュアルも活用しながら、省庁や地方公共団体の枠を超えて、公務部門での雇用事例やノウハウの共有が図られていく必要があります。
公務部門の障害者雇用の推進体制については、対外的に発表されることはほとんどなく、他省庁や他の地方公共団体の取り組みを知る機会もありませんでした。今回のワークショップでは、話題提供者のお二人が組織との間で時間をかけて信頼関係を築いてきたことで、組織内の取り組みについて発表いただ区ことができましたが、これを機会に公務部門の障害者雇用に対する関心が高まるとともに、情報共有や情報交換の機会が増えていくことが期待されます。
(資料)
「公務部門における障害者雇用の取り組み」(指定討論者:依田)
(参考資料)
「公務部門の職場の特性と障害者雇用の課題」(職業リハビリテーション第34巻No1)