独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)は、全国で57病院を運営していますが、障害者の法定雇用率の引上げや除外率の引下げが進む中で、障害者雇用をやむを得ず行うものと捉えるのではなく、誰もが働きやすい職場へと職場環境を改善していく契機とする考え方に立ち、本部主導で病院の障害者雇用の促進に取り組んでいます。その一環として、本年3月から全国3ブロックの中から選定された3病院において、院長、事務部長、看護部長を始めとした病院幹部を対象とした障害者雇用研修を行なっています。各病院の研修では、冒頭にJCHO本部の人事課長から趣旨説明をした後、当ネットワーク代表の依田が「医療現場における障害者雇用の進め方〜タスクシフトで働き方改革〜」をテーマに60分講演するとともに、質疑を行っています。研修の最後には、院長から障害者雇用に向けた考えが示され、病院全体として障害者雇用に取り組む方針が確認されています。
JCHOのような独立行政法人や地方独立行政法人、地方公共団体が運営する病院では、法定雇用率も民間病院より0.3ポイント高く設定されるなど、「率先して」障害者雇用に取り組むことが法律上も求められています。法定雇用率の引上げと除外率引下げのダブルパンチに対し、単なる数合わせの対応ではなく、誰もが働きやすい職場づくりを進める契機として捉えるJCHOの姿勢は、他の公的病院グループにも参考になることでしょう。
(講演資料)「医療現場における障害者雇用の進め方〜タスクシフトで働き方改革〜」