愛知県名古屋市天白区にある医療法人並木会の運営する並木病院は、病床数212床(療養病床159床、地域包括ケア病棟53床)の病院です。この病院では、CSRの取り組みの一環として、2018年に特別支援学校から2名の重度知的障害のある実習生を受け入れました。この経験を踏まえ、病棟介護士の業務過多によるケア不足インシデントの対策案として、障害者雇用によるタスクシェアリングを検討し、特別支援学校を卒業した2名を2020年4月に採用しました。障害者雇用を開始した当初、病棟現場には障害者の受け入れに不安もあったことから、集中配置型を目指して看護部に教育科を設立し、定年を迎えた前看護部長の久保まゆみさんを責任者として、教育指導にあたることになりました。それからの5年間、作業能力の向上だけでなく、職業人としての力を身につけさせるために、毎年目標を定めて計画的に取り組んでこられました。並木病院の障害者雇用数はまだ少数ですが、久保さんの実践からは人材育成の多くのヒントと、看護職が院内ジョブコーチとして働く可能性が感じられ、今後の展開に期待されます。この度、並木病院での5年間の軌跡をまとめた貴重な資料をいただきましたので、皆様にご紹介させていただきます。