徳島労働局では、公的医療機関を対象に障害者雇用の出張研修を企画し、その最初のケースとして、徳島県病院局の協力を得て、徳島県立中央病院(徳島市:440床)で令和7年7月15日に出張研修を実施しました。研修には、病院長、看護局長、薬剤局長をはじめ、病院幹部が20名程参加しました。講演では専門職等の「働き方改革に資する障害者雇用」について、他病院での具体的な事例を含めて紹介しました。受講された皆さんからは、「他病院での事例が参考になった」「医療部門にも障害者が従事できる業務が多くあることが分かった」「職場実習でマッチングを確認することが重要だと理解できた」といった感想をお聞きしました。多くの病院では事務部門が孤軍奮闘して障害者雇用に取り組む中で、病院幹部や様々な医療職が同席する研修の場において、障害者雇用が自らの「働き方改革」にも繋がることについて認識する機会を設ければ、障害者雇用を前向きに考える動きが院内に生じることも期待できます。その意味で、今回の出張研修という新たなスタイルは、多職種が働く病院現場には特に効果的な手法だと思われます。
一方で、今回の研修では県立病院ならではの課題も浮かび上がりました。県立病院では職員が公務員であるため、採用前の職場実習ができない、会計年度任用職員の任期に上限があるなどの制約があるといった指摘もありました。これらは病院現場では如何ともし難く、県の人事制度の問題だと認識されているようです。しかしながら、国の機関では臨時職員について職場実習が行われていたり、任期更新にも柔軟な扱いを認める人事院通知が出ていることからすれば、これらの問題は法制度上の問題というより、各機関での運用の問題かと思われます。
実際、他の都道府県の中には、会計年度任用職員の採用に先立ち職場実習を実施したり、任期更新にも実質的には上限を設けていないところもあります。公的機関では情報共有に対して消極的なところが多いため、こうした情報が共有されず、結果的に公的機関での障害者雇用を進みにくくしている面があると言えます。その意味では、職場実習の必要性や任期更新の弾力的な運用などについて、現場から要望していくことが必要であり、その際には「公務部門の障害者雇用情報サイト」に掲載されている国機関や地方公共団体の雇用事例を参考にしていただくのが良いかと思います。
(研修資料)「徳島県立中央病院研修資料」