厚生労働省は、毎年度、ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況等を取りまとめ、翌年度の6月に公表しており、令和7年度の状況については令和8年6月19日に公表されました。この発表で注目されるのは、ハローワークの職業紹介により就職した障害者の障害種別の構成です。これを見ると、医療機関が新たに障害者を雇用しようとする際に、障害者の労働市場がどのような状況にあるのかが分かります。
今回の発表では過去10年間の推移も示されていますが、平成27年度(2015年度)と令和7年度(2025年度)を比較すると、ハローワークの職業紹介により就職した障害者の障害種別は、身体障害者(31.0%→18.6%)、知的障害者(22.1%→19.3%)、精神障害者(42.6%→57.8%)、その他(4.3%→4.3%)と、精神障害者の割合が大きく増大していることが分かります。これまで身体障害者しか雇用していなかった医療機関も多いかと思いますが、その職員が高齢で引退した後を補充する際には、こうした労働市場の状況を踏まえれば、精神障害者の雇用についても前向きに考える必要があるでしょう。その際には、ハローワークだけでなく外部の支援機関(障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、障害者就労移行支援事業所など)のサポートを得て、業務の切り出しや職場実習などにも取り組む必要があるでしょう。
なお、この調査では、就職した障害者(115,178件)の産業別の割合も示されています。最も多いのは「医療・福祉」の44,683件(38.8%)ですが、この中には就労形態が雇用タイプである障害者就労継続支援事業所A型への就職件数(27,590件)が含まれており、その数は「医療・福祉」への就職件数全体の6割以上を占めています。「医療・福祉」業は、障害者雇用が進んでいると言われることもありますが、その中にはこうした福祉サービスの利用者である雇用数が相当程度含まれていることに注意する必要があります。