新着情報

「医療機関の障害者雇用ネットワーク」も、おかげさまで設立5周年を迎えることができました。
この間、皆様から様々なご意見や情報をいただき、ホームページや研修・講演等を通じて、医療機関を中心とした障害者の雇用促進に資する活動を展開してくることができたことに対して、改めてお礼申し上げます。

この1年間を振り返り、皆様に3つの報告をさせていただきます。

1点目は、本年3月に「夢をつなぐDoctor’s Network」のサイトを立ち上げたことです。
このサイトは、医師を目指す障害のある学生や、中途障害で医師の仕事を続けることに不安を感じている方に役立つ情報を提供することを目的としています。ホームページは、医師として活躍されている現職医師のメッセージやインタビュー記事を掲載する「先輩医師の紹介」コーナーのほか、合理的配慮や工夫事例の紹介、便利グッズや福祉機器の展示場検索、先輩医師への質問コーナーで構成されています。こうした情報を必要とされている方がいたら、是非、ご紹介ください。
公開時点ではまだ情報も少ないですが、これから更に「先輩医師」から経験やノウハウを提供いただきながら、皆さんに役立つ情報を発信していきたいと考えています。

2点目は、昨年9月に「公務部門の障害者雇用情報サイト」を開設したことです。
このサイトは、公務部門で障害者雇用を先進的に進めておられる皆さんの協力の下に、国や地方公共団体等で障害者雇用に取り組む上で役立つ情報を提供するたものです。本サイトにおいては、公務部門の障害者雇用に関する国の指針・通知・マニュアル等のほか、公務部門の障害者雇用の事例、現場に役立つノウハウなど、幅広い情報を発信をしていきます。現時点では「医療機関の障害者雇用ネットワーク」のサイト内のページですが、将来的には独立したホームページに移行させる予定です。

3点目は、医療総合月刊誌「クリニックマガジン」での連載を行ったことです。
医療関係雑誌が障害者雇用をテーマにした連載を1年にわたって行うのは、過去にも例のないことでしたが、それだけ現場の関心も高まってきていることを示すものでしょう。出版社のご厚意により、本サイト内で全13回の連載記事を紹介させていただいています。

今後とも、当ネットワークを活用いただきますとともに、その周知にご協力いただければと思います。

令和2年4月1日

医療機関の障害者雇用ネットワーク

代表 依田晶男
公益財団法人ヤマト福祉財団の令和元年度障がい者福祉助成金を受けて「医療機関の障害者雇用ネットワーク」が開設準備を進めてきた「夢をつなぐDoctor’s Network」のホームページが本日付で公開されました。
 
このホームページは、医師を目指す障害のある学生や、中途障害で医師の仕事を続けることに不安を感じている方に役立つ情報を提供することを目的としています。
こうした皆さんの不安に応えるため、ホームページは、障害がありながら医師として活躍されている現職医師のメッセージやインタビュー記事を掲載する「先輩医師の紹介」コーナーのほか、合理的配慮や工夫事例の紹介、便利グッズや福祉機器の展示場検索、先輩医師への質問コーナーから構成されています。
公開時点ではまだ情報も少ないですが、これから更に「先輩医師」から経験やノウハウを提供いただきながら、皆さんに役立つ情報を発信していきたいと考えています。
現時点では「先輩医師の紹介」コーナーには、様々な障害のある11名の医師を掲載していますが、障害の種類も程度も様々ですので、紹介医師を増やしていく予定です。
ご協力いただける医師の方がおられれば、是非、以下までご紹介ください。
 mediem.net@gmail.com
サイト管理者 依田

第1回「働き方改革の視座」(CLINIC magazine 20194月号掲載)

第2回「雇用をためらう3つの理由」(CLINIC magazine 2019年5月号掲載)

第3回「専門職からの感謝の言葉」(CLINIC magazine 2019年6月号掲載)

第4回「障害者雇用に適した仕事」(CLINIC magazine 2019年7月号掲載)

第5回「現場の負担感をなくすには」(CLINIC magazine 2019年8月号掲載)

第6回「雇用率制度と負担調整」(CLINIC magazine 2019年9月号掲載)

第7回「合理的配慮は事業主の義務」(CLINIC magazine 2019年10月号掲載)

第8回「医療機関に関する良かったこと調査」(CLINIC magazine 2019年11月号掲載)

第9回「外来受付で評価されている配慮とは」(CLINIC magazine 2019年12月号掲載)

第10回「薬局でできる障害者への配慮とは」(CLINIC magazine 2020年1月号掲載)

第11回「障害者雇用は新規採用とは限らない」(CLINIC magazine 2020年2月号掲載)

第12回「うつ病の再休職を防ぐリワーク」(CLINIC magazine 2020年3月号掲載)

第13回「排除ではなく理解と配慮を」(CLINIC magazine 2020年4月号掲載)

 

連載継続中

(注)上記は、株式会社クリニックマガジン発行の医療総合誌「CLINIC magazine 」の連載企画「働き方のミ・ラ・イ」に掲載されたものを、同社のご好意により転載させていただいたものです。

兵庫県では、医療・保健、福祉、教育、雇用・就業などの関係者が地域リハビリテーション活動の推進を目指して、総合リハビリテーション・ケア研究大会を開催してきました。第21回となる今年の大会は、初めて「就労」をテーマに開催されました。令和2年2月15日に兵庫県民会館(神戸市)で開催された研究大会では、当ネットワーク代表世話人の依田が「障害者雇用の動向〜多様な働き方を目指して〜」というテーマで特別講演を行いました。特別講演に続いて、指定演題、パネルディスカッションⅠ、パネルディスカッションⅡ、一般口述演題が行われるなど、大変盛り沢山の内容でした。様々な関係機関が障害者の就労に向けて取り組んでいる実態が発表されるとともに、課題として連携の必要性が浮かび上がりました。特別講演でもお話しした「地域連携就労支援パス」の作成を通じて、地域の顔の見える範囲での連携構築が効果的であることを改めて感じました。医療機関、福祉施設、就業支援機関など所属機関は異なっていても、「就労」に取り組む中で変化・成長していく利用者の姿を見ることで、支援者の皆さんも「就労」に魅力を感じておられたのがとても印象的でした。

(講演資料)「障害者雇用の動向〜多様な働き方を目指して〜」

(資料)「地域連携就労支援パスの提案」

長年にわたりITを活用した重度障害者の在宅就業支援と人材育成に取り組んできた特定非営利活動法人バーチャルメディア工房ぎふ(理事長:上村数洋)では、結成から21年を迎えたのを機会に、令和2年2月14日に大垣市情報工房において、20周年記念フォーラム「デジタル活用共生社会と重度障害者の雇用・就労(業)を考える〜すべての人が誇りを持って暮らせる社会に向かって〜」を開催しました。

セミナーでは「障害を感じさせない時代へ〜働き方の多様化と就労支援の進化〜」をテーマに講演を行いました。講演後には「重度障害者のはたらく・いきる・まなぶを考える」をテーマに、社会福祉法人東京コロニー職能開発室所長で東京都障害者IT地域支援センター長の堀米真理子さんのコーディトで、前大阪市職業リハビリテーション所長の乾伊津子さん、特定非営利活動法人リハビリテーションビレッジ代表の川村享平さん、バーチャルメディア工房ぎふの在宅就業障害者登録ワーカーの川崎直也さん、肢体不自由者朗読劇弾保護者の寸田さつきさんが参加したシンポジウムが行われました。

在宅就業障害者登録ワーカーの川崎さんは、筋ジストロフィー病棟に入院中で、On-Lineでの参加でした。入院中のため工房の活動にはあまり参加できていないそうですが、仕事ができていることにやりがいを感じているそうです。病棟では、各ベッドやデイルームには患者自治会が管理するインターネット配線があり、車椅子やベッドでパソコンを操作されています。快適に業務ができるよう、頭上にモニターとウェブカメラ、マイクを設置しており、主にメールやウェブカメラでやり取りをしているとのことでした。

(講演資料)「障害を感じさせない時代へ〜働き方の多様化と就労支援の進化〜」

全国で赤十字病院を運営する日本赤十字社は、人道や公平といった赤十字基本原則を踏まえた活動を展開しています。日本赤十字社幹部看護師研修センター(東京都渋谷区)では、全国の赤十字病院・施設から派遣された看護師等を対象に、赤十字の理念を教育の基礎とし、将来、病院の看護管理者として活躍できる人材を育成するための教育を実施しています。「令和元年度赤十字看護管理者研修Ⅲ」の研修の一環として、令和2年2月3日に当ネットワーク代表世話人の依田が「赤十字組織の経営〜働き方改革に資する障害者雇用〜」をテーマに3時間の講義を行いました。この研修は、サードレベル研修のカリキュラムに引き続いて行われるもので、看護副部長を中心に全国から26名の看護師が参加しました。

講義の後半ではグループワークを行い、「病院で障害者雇用を進める際、どのような仕事を担当してもらうと現場が助かり、看護部門の「働き方改革」につながるか」と「看護現場にいるコミュニケーション等に問題を抱える自閉症スペクトラム(ASD)のある職員に担当させられる仕事は何か」の2つの課題について受講生の皆さんで話し合ってもらいました。

第1の課題については、様々な業務が提案されました。障害者雇用に切り出しできる業務が看護部門に豊富に存在することを、受講生の皆さんにも十分理解いただけたことと思います。それぞれの病院に戻ってから、看護部門の働き方改革の一環として、こうした話し合いが行われることが期待されます。

第2の課題については、看護管理者として切実な問題であることが伺えました。業務の種類としては、手術室、透析室、内視鏡室など、他の病院グループの研修でも出ていた内容と同様な提案がありました。現実問題としては、「通常の看護業務を安心して任されない者に担当業務の変更をどう説明するか」「周囲の看護師から不公平だと不満が出ないためにはどうすれば良いか」といった点に皆さんの関心があるようでした。

障害があっても「できないこと」ではなく「できること」に着目して、能力を活かして活躍してもらう障害者雇用の発想は、人道や公平といった赤十字の基本原則にも合致するものでしょう。赤十字病院が障害者雇用の面でも地域のモデルとなることを期待したいと思います。

 

(講義資料)「赤十字組織の経営〜働き方改革に資する障害者雇用〜」

 

○ 「障害者の権利に関する条約」の批准に向けての国内法の整備 のために、平成25年に障害者雇用促進法が改正され、平成28年4月より、事業主に 対しては、雇用分野における障害者に対する合理的配慮の提供が義務付けられています。

○ 合理的配慮とは、障害者と障害者でない者との均等な機会や待遇の確保、障害者の能 力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために必要な措置のことです。

○ 障害者に対する合理的配慮の提供について、国家公務員に関しては、国家公務員法第 27条に定める平等取扱いの原則及び同第71条に定める能率の根本基準等に基づき対 応がなされることとなっています。また、地方公務員に関しては、障害者雇用促進法の 規定が直接適用されています。このように、公的機関においても障害者に対する合理的 配慮の提供がなされることとなっています。

○ 平成30年12月27日には「職員の募集及び採用時並びに採用後において障 害者に対して各省各庁の長が講ずべき措置に関する指針」が定められ、各省各庁の長が対応できると考えられる合理的配慮の事例が示され たところです。

○ 厚生労働省では、公的機関において、実際に障害者に対して提供している合理的配慮 の事例を「公的機関における障害者への合理的配慮事例集(第四版)」に取りまとめて紹介しています。

○また、民間の事業主が障害者に合理的配 慮を提供する際に参考となると考えられる事例を幅広く収集した「合理的配慮指針事例集(第三版)」も公表されており、公的機関においても活用できる内容となっています。

「地方公共団体における障害者差別禁止及び合理的配慮の提供義務に関する実態調査」(令和2年9月〜10月実施)

特定非営利活動法人 全国精神障害者就労支援事業所連合会(Vfoster)が公益社団法人JKA補助事業により実施しているSPISの普及活動について、令和元年度事業報告会「精神・発達障害者の就労実現のためになすべきこと~合理的配慮のできる組織風土醸成」が令和2年1月25日にガイアート本社ビル(東京都新宿区)で開催されました。SPIS(Supporting People to Improve Stability)は、精神障害や発達障害のある方やメンタル不調のある方向けの雇用管理システムで、個人の特性に合わせて評価項目を設定できる日報形式のシステムになっており、働く当事者それぞれの特性に合わせて項目設定した日報をウェブ上で利用者本人、職場の担当者、外部支援者の三者で共有するものです。

報告会では、厚生労働省障害者雇用対策課の小野寺徳子課長から「障害者雇用の現状と対策」の行政報告、北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学の田中克俊教授から「メンタルヘルス不調・精神障害をもつ方のマネジメントと産業医の役割」の基調講演、事務局からのSPIS利用者アンケートなどがあり、午後には当ネットワーク代表世話人の依田も参加して、パネルディスカッションが行われました。

資料

 

公務部門の障害者雇用に関するセミナーが大阪(3月16日)と東京(3月26日)でそれぞれ開催されます。

大阪では、厚労省の委託により今年度2回にわたり「国の機関の職員に対する職場適応支援者養成セミナー」が開催されていますが。同セミナーの実施者であるNPO法人全国就業支援ネットワークは、セミナー受講者を中心に「障がい者の職場適応支援者養成フォローアップセミナー」を3月16日に開催します。

チラシ

 

東京では、中央省庁のある霞が関を活動地域とするNPO法人WEL’Sが「公務部門に関わる障害者雇用関係者連絡懇談会」を3月26日に開催します。昨年11月に第1回目の連絡会が開催されましたが、参加者からの継続開催の要望があり、第2回目が開催されるものです。

チラシ・参加申込書

 

厚生労働省は、令和元年12月25日付けで「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」を公表しました。

(資料)「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」

このうち、医療機関の運営を主とする法人の状況を見ると、国レベルの機関では国立がん研究センター(2.72%)、国立国際医療研究センター(2.69%)、国立循環器病研究センター(2.61%)、国立成育医療研究センター(2.58%)、国立精神・神経医療研究センター(2.57%)、国立長寿医療研究センター(2.58%)、国立病院機構(2.66%)、地域医療機能推進機構(2.64%)、労働者健康安全機構(2.86%)となり、いずれも法定雇用率(2.5%)を上回る結果でした。これに対して、医科系の国立大学では旭川医科大学(2.5%)、東京医科歯科大学(2.28%)、浜松医科大学(2.31%)、滋賀医科大学(2.59%)と法定雇用率を下回る大学が2大学ありましたが、東京医科歯科大学は12月3日時点、浜松医科大学は10月1日時点で不足数はゼロになっています。

一方、都道府県の病院局では、北海道道立病院局(1.52%)、青森県病院局(1.50%)、岩手県病院局(2.55%)、福島県病院局1.57%)、茨城県病院局(2.83%)、群馬県病院局(2.56%)、埼玉県病院局(2.77%)、千葉県病院局(2.84%)、新潟県病院局(3.39%)、静岡県がんセンター局(2.73%)愛知県病院事業庁(2.78%)、三重県病院事業庁(3.38%)、兵庫県病院局(1.87%)、南和広域医療企業団(2.30%)、鳥取県病院局(2.52%)、島根県病院局(0.94%)、徳島県病院局(3.11%)、長崎県病院企業団(2.80%)、熊本県病院局(4.20%)、大分県病院局(3.11%)、宮崎県病院局(1.68%)、鹿児島県県立病院局(1.73%)、沖縄県病院事業局(0.66%)と昨年同様に法人によって大きな差があります。

昨年不足数の多かった病院局について本年の集計結果を見ると、沖縄県病院事業局(44.0人→41.0人)、兵庫県病院局(27.5人→24.0人)、島根県病院局(9.0人→8.0人)、鹿児島県県立病院局(9.0人→4.0人)、茨城県病院局(7.0人→0人)、北海道立病院局(6.0人→4.0人)、宮崎県病院局(6.0人→8.0人)となっています。不足数を解消した病院局がある一方で、大幅な不足数がある病院局で取り組みが進んでいない状況もあります。当ネットワークが提案するように、医療機関の「働き方改革」に資する障害者雇用という視点で、前向きに取り組まれることが期待されるところです。