医療機関は、疾病の予防、治療、リハビリテーション等を通じて、地域住民の健康水準の維持向上に貢献することを使命としています。しかしながら、懸命な治療行為が行われても、結果的に一定の障害が残る場合があることは避けられません。また、精神疾患等の治療を継続されながら生活のしづらさを抱えている方もいます。障害者雇用の対象となるのは、こうした医療サービスを現在受けていたり、過去に受けたことのある方々であって、医療機関にとって身近な存在であるといえます。障害者雇用を進めることは、医療機関に関わりのある方々に働く機会を提供することを通じて、地域社会に貢献することです。
加えて、医療機関での障害者雇用には、地域住民への啓発という面でも大きな意味があります。製造業のように働く現場が見えにくい環境とは異なり、医療機関には多くの地域住民が患者や家族の立場で出入りしています。そのような環境下で障害のあるスタッフが働いている姿を見てもらえば、障害があっても工夫すれば十分戦力になることを具体的なイメージで理解してもらうことができるでしょう。