独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修が開講され、JCHO病院16病院のほか労災病院、大学病院、県立・市立病院、民間病院、訪問看護リハビリステーション6病院等から計25名が受講しました。研修は対面とオンラインの組み合わせで実施され、「組織デザインと組織経営」の単元では「働き方改革に資する障害者雇用」をテーマに3時間の講義が令和7年9月9日にオンラインで行われました。
前半の講義では「健康経営」と「ストレスチェック」の切り口から、看護管理者として「働きやすい職場づくり」に目を向ける視点に焦点を当てました。自らの職場の健康経営に看護職がどう係るか、ストレスチェックの集団分析の見方など、看護管理者として認識しておくべき点を説明しました。講義の中では、自閉症スペクトラム(ASD)の特性のある当事者のメッセージ動画を放映し、障害の特性と合理的配慮について説明しました。
後半のグループワークでは「『働き方改革に資する障害者雇用』を看護部門で進めるとしたらどのような業務を切り出せば、看護職が助かるか」と「自閉症スペクトラム(ASD)傾向のある看護職の適性に合う仕事は何か」の2つのテーマについて、5つのグルーで意見交換しました。
テーマ1では、自院で障害のあるスタッフが担当している業務を中心に情報共有がされ、事務部門のみで看護部門では事例がない病院も多い印象でした。現状では、1人で仕事を任せられない、支援者とセットで働かないと難しいといった意見もありました。こうしたことは、採用の方法にもよるもので、業務を先に切り出してから、その業務への適性を職場実習で確認できた者を採用すれば、現状の問題の多くは避けられた可能性が高いこともお話ししました。
テーマ2では、発達障害の診断の有無に関わらず対応に悩まれた経験は、受講者の皆さんも多かれ少なかれあるようでした。看護師としての通常の業務が難しい人の対応について検討した結果、急性期病棟から慢性期病棟に異動して安定して働けている事例や、手術室、内視鏡室、透析室、化学療法室など、患者さんとのコミュニケーションが少なく、決まった手順で行われる業務であって、周囲に他のスタッフがいて、専門性が高くモチベーションが維持できる職場だと、比較的安定して働けているという認識が共有されました。
法定雇用率の引上げに加え、特に本年4月の除外率の引下げにより、これまで法定雇用率を満たしていた病院でも、雇用率が未達成になるところもあるでしょう。法人本部から病院に対して、障害者雇用の受け入れを求める機会も増えることでしょう。その際、看護管理者が障害者雇用を自分たちの「働き方改革」の機会と前向きに考えれば、「働きやすい職づくり」に繋がっていくことでしょう。こうした視点を、研修受講者がそれぞれの病院に持ち帰っていただくことを期待しています。
(資料)「組織デザインと組織経営」