新着情報

病棟でベット清掃をしていたところ、退院する患者様が「入院する時は暗い気持ちになっていたが、皆さんが声をかけながら、一生懸命ベット清掃やベットメイキングをしている姿を見て、気持ちが和んだ。有難う」と声をかけて下さいました。面会者の方からも同様の意見を多数いただき、なかには「清掃している姿はまるでショーを見ているようだ」と話して下さる方もいます。自分達が頑張っている姿を誰かが見て、声をかけてくれることに喜びを感じ、それが糧となり、今日も頑張って清掃に励んでいます。

【投稿:聖マリアンナ医科大学】

東京精神科病院協会 精神障害者の社会参加支援研修会「精神科病院における障害者雇用~今、私たちにできること~」に当ネットワークから講師として参加し、「精神科病院における障害者雇用の職域開発」について講演を行いました。

(講演資料)

書籍名:「Q&Aで理解する就労支援IPS~精神疾患がある人の魅力と可能性を生かす就労支援プログラム~」

中原 さとみ・飯野 雄治 編著

定価:2,160円(本体 2,000円+税)

発行日:2016年3月31日

出版社:EDITEX

概要

2018年4月からの精神障害者の雇用義務化に向け、就労支援はますます重要となってきます。米国で1990年代前半に開発された「IPS(Individual Placement and Support)」は、我が国でも厚生労働省により研究が進められており、一般就労率の向上などの有効性が実証されています。IPSは科学的に効果的であると証明された事実や根拠に基づいた援助プログラムであり、これからの就労支援モデルとして注目されています。本書は、Q&Aの形式で具体的な事例を交えながらIPSの基本原則をわかりやすく習得できるように構成されており、IPSに関する50の質問に当事者や実践者、研究者が自らの実践や体験に基づいて回答しています。当事者と家族、就労支援のスタッフだけでなく、企業の人事担当者も必携の一冊です。

主な目次

序章 IPSの概要

1章 IPSの利点

2章 IPSの対象者

3章 就職活動の支援

4章 職場開拓・定着支援

5章 医療との統合と疾患等の特性

6章 意思決定の共有

7章 IPSの導入と実践

8章 日本の制度

9章 IPSの研究と今後の課題

障害者雇用を積極的に進めている医療機関の事例を分析すると、特定の業務だけでなく、院内にある多様な業務から障害のあるスタッフが従事できる業務を切り出している実態が認められます。医療機関には、大きく分けて「医療系の業務」と「事務系の業務」がありますが、それぞれから業務の切り出しが行われています。 このうち「事務系の業務」は、他の産業分野とも共通する業務が多く含まれています。例えば、郵便物の仕分け・配達、文書や物品の搬送、データ入力等の業務は、大手企業の本社などで知的障害や精神障害のあるスタッフが活躍されている職域でもあります。 これに対して、「医療系の業務」は、まさに医療機関ならではの業務であり、業務の種類も量も相当なものが院内に存在しています。この分野での職域をどう開発するかが、医療機関での障害者雇用を進める上での「鍵」となります。 なお、ここで紹介している先進事例は、知的障害や精神障害のある方の雇用事例に限られています。身体障害の方が従事できる仕事の内容は、障害の部位によって異なりますし、ハード面の環境が改善されることで障害がない職員と同等以上に活躍されている方もいるので、特定の業務を切り出す形でのご紹介はしていません。

切出し業務一覧:医療系(概要)

切出し業務一覧:事務系(概要)

切り出し業務一覧:医療系・事務系(詳細)

(お願い) 上記の切出し業務一覧を一層充実したものにするため、参加メンバーの医療機関や就業支援機関において切出された業務について、事務局(info@medi-em.net)までご連絡ください。

関東地方にある県立病院では、障害のあるスタッフがテープカット作業などを行っています。この病院では、毎年就職してくる20~30人の看護師に対して、初任者研修で障害のある職員と一緒にテープカットなどの作業をしてもらっています。障害のあるスタッフから作業方法を教わり、会話をしながら皆で作業することを通じて、組織としての障害者雇用への取組みを理解してもらい、一緒に働く仲間である意識を持ってもらうことを目的とした試みです。この研修からコミュニケーションが生まれ、研修後も、院内で顔を合わせた時に声をかけるなど、取組の効果を感じているそうです。

障害者週間「連続セミナー」(主催:内閣府)の一環として、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の主催の公開座談会「精神障害者雇用は今!~精神障害者の職域拡大の可能性について~」に当ネットワークから講師として参加し、「医療機関における精神障害者の職域開発」について説明しました。医療機関における雇用事例として、当ネットワークホームページの優良事例で紹介している駒木野病院(東京都八王子市)と埼玉県立循環器・呼吸器病センター(埼玉県熊谷市)も登壇しました。座談会の模様は、「働く広場」の平成28年3月号に掲載される予定です。

(講演資料)

障害のあるスタッフが行う業務には、様々な業務があります、なかには、内視鏡の洗浄を知的障害のあるスタッフが行っている病院もあります。患者さんに使われる医療機器の取り扱いには、感染のリスクが伴います。このため、この病院では、従来この作業をしていた看護師に加え、感染制御室が協力して作業手順を工程ごとに分解し、必要な防護措置が確実に行われるようにしたそうです。作業衣・マスク・ゴーグル・手袋等の着脱、手作業による下洗浄、自動洗浄機による滅菌洗浄、乾燥等の一連の手順が図示され、スタッフが手順通りに行っています。外来の看護師は、忙しい中でしていた作業から解放され、患者さんに向き合う時間が増えたと喜んでいます。

 

当院は、静岡市駿河区において急性期医療を担う公的医療機関です。

■病床数:521床

■雇用障害者数:12名(身体障害者7名(うち重度5名)、精神障害者5名)

■障害者雇用率:2.22%(平成28年1月現在)

■業務内容
  リネン:院内の白衣、病衣等の洗濯、たたみ作業、病棟への配達・回収等
  事務:総務全般、医療秘書、医事業務、Web管理・院内報制作等
  庶務:会議室清掃、草刈り、パンフ補充、車いす清掃等

障害を持っている職員は、それぞれの能力や特性を活かせる部署への配属をしています。ただ、支援が必要な障害当事者や部署の担当者へ支援をするために、ジョブコーチとして支援する職員が2名います。障害当事者と担当者が円滑に業務できるよう、所属部署へ訪問して調整を行っています。

病院全体としての取り組みとしてはまだまだ途上ですが、今働いている障害者の方々の実績が認められ、少しずつですが理解も広まっているように思います。

今後はまた新たな職場を開拓すべく、職務分析中です。

私は、平成9年から平成11年にかけて厚生労働省の障害者雇用対策課調査官として、障害者の雇用と福祉の連携に係る取り組みに従事しました。この時に予算化した事業は、障害者就業・生活支援センター、トライアル雇用、ジョブコーチ事業など、現在の障害者雇用施策へとつながっています。また、平成15年から2年間、内閣府障害者施策担当参事官として各省庁間の障害者施策の調整のほか、障害者権利条約の交渉等に従事しました。その後、介護行政を担当する老健局総務課長等を経て、平成22年から2年間、国立がん研究センターにおいて、経営側の立場で障害者雇用に取り組み、医療機関の障害者雇用のモデルを作る機会を得ました。

旧社会保険病院等を運営する地域医療機能推進機構(JCHO)での勤務を最後に、平成27年3月末に厚生労働省を退職したのを機会に、先駆的な障害者雇用を進める医療機関や雇用支援機関の有志の皆さんとともに「医療機関の障害者雇用ネットワーク」を設立し、「病院職員に歓迎される障害者雇用」の普及を目指して取り組んでいます。現在は、被保険者数42万人を有する国民健康保険組合に所属し、都内で300床規模の急性期病院の運営も行っています。

これまでの経歴の中で、障害者雇用を進める行政側と事業主である医療機関側の両方の立場を経験したことから、医療機関で障害者雇用を進める上で役立つ情報を発信していくことが自分の使命だと考えています。ホームページも手作りのため、不十分なところが多々ありますが、ネットワークに参加いただいた皆さんのご協力を得て、より充実した情報発信をしていきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

医療機関の規模によって障害者の雇用必要数にも差があります。雇用必要数が数名あるような医療機関では、専任の支援職員を配置した体制の構築も視野に入れて、障害のあるスタッフの仕事を考えると良いでしょう。

規模の大きな医療機関の場合

規模の小さな医療機関の場合