徳島労働局障害者雇用セミナーでの講演

障害者の法定雇用率の引き上げにより、新たに1人以上の障害者の雇用が義務付けられる事業者を中心に集めた障害者雇用セミナーが、徳島労働局の主催で2024年2月7日にあわぎんホール(徳島市)で開催され、製造、医療、福祉、サービス、運輸、土木・建設、小売などの民間事業者のほか公的機関も含めた50名以上の方が参加されました。セミナーでは、徳島労働局職業安定部長の篠原毅さんの挨拶に続き、地方障害者雇用担当官の堤智恵さんから「徳島県の障害者雇用の現状」について説明がありました。その後、当ネットワークの依田から「経営の観点から見た障害者雇用の効果と進め方〜持続的に成長できる職場づくり〜」について講演しました。引き続いて、もにす認定を受けている船場化成株式会社(徳島市)総務部長の村田道彦さんと赤澤海音さんから「定年まで働きたい!現場実習から4年半の道のり〜驚愕の大変身を経て現在も楽しく勤務できている理由〜」という対談形式の事例発表がありました。

講演では、健康経営や多様性という文脈の中で障害者雇用を考える視点が大切とした上で、障害者雇用の効果として、人材不足への対応、業務の効率化、同じ職場で働く従業員にも働きやすい環境整備、合理的配慮の理解が企業の強みになる、心理的安全性の高い職場づくり、管理職のマネジメント能力の向上、SDGsへの貢献といった点を挙げて説明しました。

事例発表では、上司である村田さんが赤澤さんの言葉をスムーズに引き出している姿から、心理的安全性の高い職場づくりをされていることを感じました。赤澤さんの「成長できるということが仕事にはあるんだ」「ここで終わりという限界を作らずにこれからも進化を続けていきたい」という言葉には、会場の皆さんも頷きながら聞き入っていました。

雇用率制度という言わば「ムチ」と助成金という「アメ」だけでは事業者が「腹落ち」することはないでしょう。今回のセミナーでは経営の視点で障害者雇用の効果を理解していただくとともに、その効果を本人や経営者の生の声で「裏打ち」することができたと思います。参加された事業者の皆さんには、「障害者雇用やってみるのも良いかな」と考えるきっかけになったのではないでしょうか。

(講演資料)

「経営の観点から見た障害者雇用の効果と進め方〜持続的に成長できる職場づくり〜」