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「国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成研修」の令和7年度第2回目が、1月19日から4日間の予定で開催され、初日にはオンラインで「公的部門における職場適応支援者の役割①〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」と「公的部門における職場適応支援者の役割②〜公務部門での雇用事例に学ぶ〜」について講義しました。研修会には、国の6機関から10名が参加されました。

100分間の講義のうち最後の15分間では、障害のある職員の配置方法として集中配置(集約型オフィス)を取り入れている2つ省から、状況について共有いただきました。集中配置というと、省内の各部門から作業を受注して特定の場所(集約型オフィス)で作業するイメージですが、実際は集約型オフィスに所属しながら、省内の各部門に出向いて作業している職員もいます。集約型オフィスでの作業を通じて専任のジョブコーチが能力や適性を判断した上で、各部門に出向いて作業することで現場のニーズに応えることができますが、その際に集約型オフィスへの所属を続けることでジョブコーチのサポートが継続され、安定的に働くことができています。集約型オフィスを取り入れる国の機関も少しづつ増えてきていますが、年数を経るにつれてその内容も進化してきていることを感じます。こうした事例を共有できれば、国の期間での障害者雇用の全体的なレベルも向上していくことでしょう。

(講義資料)

「公的部門における職場適応支援者の役割①〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」「公的部門における職場適応支援者の役割②〜公務部門での雇用事例に学ぶ〜」

法務省では年2回、障害者雇用に関する研修を実施しており、令和8年1月16日の研修では、当ネットワークの依田が外部講師として120分の講演を行いました。研修はオンラインで実施され、本省のほか全国の法務局や矯正施設から300人ほどの職員が受講されました。

法務省の取り組みの中で他省庁にも参考にしてもらいたいものに「勤務支援手帳」があります。障害を有する職員とその上司・同僚の双方にとって、「働きやすい職場づくり」を目指すために作成されるもので、「障害特性により配慮を必要とする情報を文字にして正確に表し、必要な範囲に伝えるためのツール」として作成されています。「勤務支援手帳」には、必要な情報が網羅されており、採用時点だけでなく、採用後もこうした情報を必要な範囲で共有し、更新していけば、誤解に基づく無用なトラブルも防げるでしょうし、的確な配慮を行うことで本人の能力も引き出しやすいでしょう。

講演の中では、法務行政と障害者雇用の関わりについても触れさせていただきました。受刑者の中にも障害のある人が一定数いて、その中には再犯行為を繰り返す人もいます。障害者の就労支援が充実して、地域の中で障害者が活躍できる場所があれば、そもそも触法行為を起こす人も減らせるでしょうし、矯正施設出所後に障害者の就労支援に適切に繋ぐことができれば、再犯行為を起こすリスクも減らせるでしょう。その意味では、障害者雇用は矯正行政とも関わりが深いと言えます。

研修に先立ち募集された事前質問には、多くの職員から多彩な質問が寄せられ、研修の最後に30分ほど時間をとってお答えさせていただきました。皆さんから率直な質問が多く出てくることからも、障害者雇用に関する研修を毎年実施してこられたことで、職員の意識も高まっていることを感じさせられました。

(講演資料)「障害者雇用研修会〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」

医療法人並木会の運営する並木病院(愛知県名古屋市天白区)で障害者雇用に中心となって取り組んでいる久保まゆみさんは、元看護部長だった方です。同院では、見学者に説明するために「なみきジョブサポート メンタリングファイル」という資料を作成しています。

このファイルでは、補助的な業務内容を写真入りで多数紹介するとともに、作業指導方法も具体的に分かりやすく記載し、経年的な各フェーズでの課題や目標を掲げ、メンタリング(キャリアを含めた全人格的な成長支援)のポイントも詳細に記載するなど、とても実践的な内容となっています。看護職の人材育成に取り組んでこられた方が障害者雇用に取り組むと、こんなことができるという「希望」を感じられる資料です。障害者雇用に関わる看護職の方にご覧いただければ、きっと障害者雇用に魅力を感じていただけると思い、皆さんに提供させていただくことをお願いし、ご了解いただきました。

(資料)「なみきジョブサポート メンタリングファイル」

政府は令和7年12月26日に令和8年度予算政府案を閣議決定しました。同予算案に盛り込まれた厚生労働省所管の障害者雇用関係の事項は前年度予算とほぼ同内容となっています。

(資料)令和8年度予算案における障害者雇用関係の概要

 

厚生労働省は、令和7年12月19日に民間企業や公的機関などにおける、令和7年 障害者雇用状況の集計結果」を取りまとめ、公表しました。障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うことを義務付けています。今回の集計結果は、同法に基づき、令和7年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主などに報告を求め、それを集計したものです。

【公的機関】法定雇用率2.8%、都道府県などの教育委員会は2.7%

○いずれも雇用障害者数は前年を上回るが、除外率の引き下げの影響もあり、実雇用率は前年を下回る。( )は前年の値
・  国  :雇用障害者数 1万 595.5 人(1万428.0人)、実雇用率 3.04%(3.07%)
・都 道 府 県:雇用障害者数 1万1,375.0人(1万 1,030.5 人)、実雇用率 3.03%(3.05%)
・市 町   村:雇用障害者数 3万9,142.0人(3万 7,433.5人)、実雇用率2.69%(2.75%)
・教育委員会:雇用障害者数 1万8,550.5 人(1万 7,719.0 人)、実雇用率2.31%(2.43%)

【独立行政法人など】法定雇用率2.8%

○雇用障害者数は前年を上回るが、除外率の引き下げの影響もあり、実雇用率は前年を下回る。( )は前年の値
・雇用障害者数 1万4,120.0人(1万 3,419.0人)、実雇用率2.67%(2.85%)

(発表資料)「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」

 

福岡市立障がい者就労支援センターでは、昨年度に「同業種(医療)交流会」を3回シリーズで開催しましたが、今年度は対象を介護・福祉にも拡大した「同業種(介護・医療・福祉)交流会」を10月から3回シリーズで開催しました。

(案内チラシ)

第1回(10月10日)

 講師 福岡市教育委員会福岡市発達教育センター所長 松本学

    「特別支援学校での就労に向けた取り組みについて」

第2回(11月14日)

 講師 福岡県立視覚特別支援学校教諭 塚本敏朗 

    「ヘルスキーパーとしての障がい者就労について」

第3回(12月12日)

 講師 特定医療法人財団 博愛会事務次長 呼子修一

     「介護・医療機関における障がい者雇用の実例について」

 (スライド)「「障害者雇用」〜”働きたい”思いをを支える職場づくり〜」

第3回交流会には20名を超える方が参加し、博愛会病院の呼子さんから障害者雇用の流れ、業務の切り出し方、業務指導のノウハウなどを惜しみなく披露され、参加者は大変興味深く聴講されるとともに、その後の意見交換も時間が足りないほどだったそうです。

主催者である福岡市立障がい者就労支援センターの担当者は、「日頃から場合によっては孤軍奮闘されている方々もいる中で、同業者だからこその課題や悩み、不安について他法人の方と意見交流することで、新たな気づきや雇用へのヒントが得られ、障がい者雇用に向けたモチベーションの維持・アップにもつながったのではないかと思います。」とのことでした。

こうした同業種の皆さんが障害者雇用について率直に意見交換できる機会が、身近な地域に広がっていくことを期待しています。

元朝日新聞社の論説委員で国際医療福祉大学大学院教授の大熊由紀子さんは、大学院の公開講座「乃木坂スクール」で「前例を超えて挑戦する人々に学ぶ~医療・福祉・行政・政治の現場で~」を連続開催しています。令和7年12月10日に国際医療福祉大学東京赤坂キャンパス(東京地港区)で開催された公開講座には当ネットワークの依田が登壇し、対面とオンラインのハイブリッドで「障害者雇用に魅せられて~人を生かし、共に成長する~」をテーマに90分ほど講義を行いました。受講生は医療や福祉等の分野で活躍されている方々で、医療機関で働く医師や事務職の方、医療機関の障害者雇用をサポートしてきた支援機関の方、大学の学生支援室の方、障害のある当事者団体の方などもおられました。講義に先立ちオンラインで行われたゼミや講義後の有志による放課後の集いなどでも、皆さんから数億多くの質問をいただき、大変盛り上がりました。

(資料)「障害者雇用に魅せられて~人を生かし、共に成長する~」(抜粋)

東京労働局主催による「令和7年度障害者就業・生活支援センター南関東ブロック経験交流会」が令和7年11月21日にオンラインで開催されました。会議には千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県の1都4県に所在する障害者就業・生活支援センターから43名が参加したほか、同地域の労働局から16名が参加されました。会議では東京労働局職業安定部職業対策課の湯地幹彦課長の挨拶に続き、厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室室長補佐の北里尚寿さんが行政説明を行い、基調講演として当ネットワーク代表の依田が「医療機関に対する障害者雇用支援」をテーマに1時間ほどお話をしました。障害者就業・生活支援センターは、地域で障害者雇用の支援を行う中核的な機関であり、医療機関が障害者雇用を進めようとする際にも相談に乗ってくれる機関です。今回のような研修で、医療機関で障害者雇用を進める意義の説明の仕方や切り出し業務の実例について知ってもらうことで、医療機関に対する支援も円滑になることが期待されます。

会議では、引き続き、社会福祉法人多摩棕櫚亭協会障害者就業・生活支援センターオープナー主任職場定着支援担当の川田俊也さんがセンターの支援事例について発表され、その後、参加者は8つのグループに分かれて、グループ別意見交換が行われました。意見交換のテーマはグループごとに、企業に対する支援、障害のある学生に対する支援、多様な働き方(特定短時間やテレワーク)に対する支援が振り分けられました。障害者就業・生活支援センターは、登録者数が増大するとともに、支援する障害者の範囲も多様化してきており、雇用事業所からの期待も大きく、担当者も様々な悩みを抱えています。グループ別意見交換では、他のセンターの話を聞けたことで悩みを共有できたことに加え、課題解決に向けたヒントが得られたようでした。障害者就業・生活支援センターには、様々な相談が寄せられますが、それを全て自らが対応するのではなく、地域の様々な支援機関との役割分担の下に、障害者や企業が安心して障害者雇用に取り組める体制を作ることは、障害者就業・生活支援センターの大切な役割でしょう。

(講演資料)「医療機関に対する障害者雇用支援」

障害者雇用をしていると「ジョブコーチ」という言葉を耳にすることが多いと思います。ジョブコーチ(職場適応援助者)には、「配置型」「訪問型」「企業在籍型」という3種類があります。「配置型」は障害者職業センターに所属し、「訪問型」は障害者就労支援を行う社会福祉法人等に所属し、それぞれ障害者雇用を行う企業や病院等に一定期間訪問して、障害者の職場への円滑な定着を支援します。これに対して、「企業在籍型」は障害者を雇用する企業や病院等に所属し、自社で雇用する障害者の支援を行います。ジョブコーチは資格ではありませんが、ジョブコーチとして必要なスキルを身につけるため、国が指定する1週間程度の研修が行われています。

指定研修の1つで社会福祉法人南高愛隣会(長崎県諫早市)が実施する「職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修」が2025年11月17日(月)から22日(土)にかけて諫早商工会議所で開催され、九州各県から「訪問型」22名、「企業在籍型」12名が受講されました。研修初日には、当ネットワーク代表の依田が「職業リハビリテーションの理念」と「企業在籍型ジョブコーチの役割」の2つの講義を行いました。

「職業リハビリテーションの理念」

「企業在籍型ジョブコーチの役割」

積極的に障害者雇用を進める病院では、院内にジョブコーチを配置するところが少しずつ増えてきました。専任のジョブコーチを配置することで、病棟などの現場の管理者の負担が軽減され、障害者雇用が格段に進んでいる病院も増えています。こうした体制整備を進める上で、ジョブコーチとしてのスキルを身につける「企業在籍型」研修の受講は、とても効果的です。研修は人気が高く、受講枠も限られているので、早めに申し込みをされると良いでしょう。受講できる研修の情報は。厚生労働省がホームページで公開しています。最新の情報については、以下をご覧ください。

「企業在籍型職場適応援助者研修のご案内」

「令和7年度企業在籍型職場適応援助者養成研修スケジュール(令和7年度10月〜3月申込受付分)」

 

「医療機関の障害者雇用ネットワーク」に参加登録されている方は、既に160名を超えています。ネットワークへの登録資格や登録手続きについては、ホームページの「参加登録」のページに掲載されていますが、これらを整理して「会則」の形にまとめることとしました。会費無料の点を含め、内容に変更はありません。

会則