新着情報

独立行政法人国立病院機構(NHO)東海北陸グループは、令和7年8月4日に名古屋医療センター(名古屋市)において「労務管理研修」を開催し、東海北陸グループの各病院から副看護部長、管理課長など35名が受講されました。今回の研修は、勤務時間管理やハラスメント対応など労務関係のテーマがメインで、ハラスメントに関する事例検討も行われましたが、その中で障害者雇用の促進について60分ほど講演させていただきました。

4月の研修では院長・看護部長・事務部長にも同様な内容の話を聞いていただいるので、今回の研修の受講者の皆さんを含め院内で問題意識を共有していただき、病院として障害者雇用を「働き方改革」の一環として位置付け、前向きに取り組んでいただくことをお願いしました。

ハラスメント問題の背景には、発達障害の特性が影響している場合も多いと言われています。その意味では、障害者雇用の取り組みを通じて障害特性について理解を深めることは、職員に対して適切な対応を取るためのスキルを磨く良い機会にもなります。

東海北陸グループでは、4月の院長等に対する研修に続き、新任管理者クラス、看護師長・庶務係長クラス、副看護部長・管理課長クラスと職位別の研修で障害者雇用を取り上げてきました。こうした取り組みは公的病院グループでも先駆的なものであり、今後、東海北陸グループの病院で障害者雇用がどのように進んでいくかが楽しみです。

(講演資料)「医療現場における障害者雇用の進め方〜タスクシフトで働き方改革〜」

 

鳥取県では障害者の就労支援の充実を図るため、職場適応援助者(ジョブコーチ)の育成・活用に力を入れています。障害者職業センターのない県西部と県中部には、県版のジョブコーチセンター「障がい者職場定着推進センター」が設置されています。また、ジョブコーチを育成するため、障害者職場定着推進センターあしすとを運営する社会福祉法人あしーどに委託して、厚生労働省の指定する職場適応援助者養成研修を実施しています。今年度も6日間(講義5日、実習1日)にわたる研修が行われ、訪問型職場適応援助者と企業在籍型職場適応援助者の養成研修を計25名が受講されました。講義は米子コンベンションセンター(鳥取県米子市)を会場に行われましたが、神奈川県など他県からも受講者がいました。研修4日目に当たる8月2日の午前中に行われた「企業へのアプローチと事業所における調整方法」では、社会福祉法人WELS TOKYOの堀江美里さんとともに担当し、冒頭でジョブコーチの訪問を受け入れる事業所側の視点についてお話しました。その後、5グループに分かれてジョブコーチ経験が豊富なファシリテーターの指導の下にグループワークが行われました。契約社員として採用され就職後1ヶ月で休んでしまった発達障害のある人のケースを想定し、企業と在職者本人と職場適応援助者の三者によるケース会議に向けて、「在職者の為の情報整理シート」を利用して準備を進めるとともに、模擬ケース会議を行いました。ケース会議では、在職者本人役のファシリテーターから敢えて過剰な配慮の要求を出すなど、臨場感溢れる場面もあり、後輩を育てようとする先輩ジョブコーチの熱い思いも感じました。

午後は、福岡市を拠点とする一般社団法人Bridge 代表理事の國﨑順子さんにより、「ケースから学ぶジョブコーチ支援の実際」について講義とグループワークが行われました。ケースでは、病院で知的障害者を初めて採用した事例も取り上げられ、支援対象となる障害者への支援と雇用する事業所側への支援について、具体的な事例に即した説明が行われました。

職場適応援助者(ジョブコーチ)の養成研修としては、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が実施しているもののほか、今回のように厚生労働大臣が指定する養成研修も行われています。JEEDの研修については、受講料が無料ということもあり、定員枠を超える募集が続いていますが、公的機関や独立行政法人が運営する病院では利用できない制約もあります。そのような病院でも、厚生労働大臣の指定する研修の方は受講することができます。院内ジョブコーチとして活動するには、企業在籍型職場適応援助者養成研修の受講が推奨されますが、その際にはJEEDの研修とともに、厚生労働大臣の指定する養成研修の活用も選択肢となるでしょう。

(資料)事業所側の視点(依田)

(参考)令和7年度企業在籍型職場適応援助者養成研修(一覧) 【令和7年4月〜9月申込受付分】

 

 

 

令和7年7月24日(木)~25日(金)に出島メッセ長崎(長崎市)にて開催された第75回日本病院学会において、福岡市にある特定医療法人財団博愛会から「人を大切にする経営」と「障害者雇用」の2演題の口演発表がありました。博愛会は、健康経営優良法人ホワイト500の認定を取得されているなど、職員の働きやすい環境づくりにも積極的に取り組まれています。こうした経営姿勢を背景に、障害者雇用にもとても熱心に取り組まれており、これまでも当ネットワークで何度か紹介させていただいてきました。今回は、日本病院学会という全国から多数の病院が集まる場で、障害者雇用の取り組みについて発表されたことで、その取り組みをより多くの病院の皆さんに知っていただく機会になったことと思います。

(口演発表資料)「障害者雇用」〜”働きたい”想いを支える職場づくり〜」

障害者雇用の意義や効果について、博愛会の取り組みから学ぶことは多くありますが、スライドの最後のページにある「ケアメイト50名を目指す」という言葉からは、障害のある職員の能力を引き出し、戦力としていくことに対する決意と自信が感じられます。このメッセージを少しでも多くの全国の病院の皆さんに感じ取っていただければと思います。

当日、「障害者雇用」について口演発表をされた、障害者雇用推進室室長・地域サポート部事務長の呼子修一さんからコメントをいただきましたので、紹介させていただきます。

「同じ医療の現場で、雇用に向き合う方々の悩みや思いに少しでも寄り添えたらーそのような気持ちを胸に発表に臨みました。資料に目を向け、質問を投げかけてくださった方々の姿に、私自身も多くの勇気をいただきました。 障がいのある方々が働くことの意味を、私たち自身が改めて問い続けながら、組織としても人としても成長していけるよう、これからも歩みを進めてまいります。今後とも、障がい者雇用の現場での温かなつながりと情報共有が広がっていくことを願っております。」

大阪労働局が本年3月にハイブリッド形式で実施した「医療機関向け 障害者雇用の進め方セミナー」には、200ほどの医療機関が受講され、大変好評だったことから、改めてオンライン配信するための動画を録画し、厚労省からアーカイブ配信(無料)されました。院内で病院幹部や医療職の皆さんに視聴いただくことで院内の意識が高まり、障害者雇用に対する協力が得やすくなることが期待されます。動画の視聴は、本年9月末までのため、なるべく多くの医療機関の皆さんにご案内できるようチラシを作成しましたので、支援機関の皆さんから医療機関に働きかける際などに活用ください。

(資料)動画配信の案内チラシ

「国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成研修」の令和7年度第1回目が、7月28日から4日間の予定で開催され、初日にはオンラインで「公的部門における職場適応支援者の役割①〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」と「公的部門における職場適応支援者の役割②〜公務部門での雇用事例に学ぶ〜」について講義しました。研修会には、国の13機関から22名が参加されました。

100分間の講義のうち最後の15分間では、受講者との情報交換を行いました。令和元年度の研修開始以来、継続して講義をしてきましたが、国の機関の間でも取り組みに大きな差があるように感じています。積極的な取り組みをしてきた機関ほど更なる進化をしてきており、これまで分散配置をしていた機関では新たに集約オフィスの設置を検討されたり、従来は更新回数に限度を設けていた機関が実質的に更新限度を外す工夫をされたりしています。一方で、「公務部門の障害者雇用マニュアル」でも活用が推奨されている「職場実習」について、積極的に活用して随時採用している国の機関がある一方で、全く「職場実習」を実施していない国の機関もあります。こうしたことが生じているのも、国の機関の間で情報共有が十分行われていないことに原因があると思われます。こうした状況を改善するには、「公務部門の障害者雇用マニュアル」を作成した厚生労働省や内閣官房内閣人事局が積極的に情報共有の機会を作ることが望まれます。

(講義資料)

「公的部門における職場適応支援者の役割①〜働き方改革に資する障害者雇用の進め方〜」「公的部門における職場適応支援者の役割②〜公務部門での雇用事例に学ぶ〜」

東京障害者職業センター多摩支所(東京都立川市)は、令和7年7月25日(金)に立川商工会議所会議室において、雇用管理サポート講習会「医療機関における障害者雇用の進め方〜雇用事例を通じて〜」を開催しました。昨年に続いて医療機関を対象にして開催された講習会には、今年度も20近い医療機関が参加されました。

最初に、医療法人社団積信会長谷川病院(東京都三鷹市)の地域医療連携室副室長の三島泰郎さんから長谷川病院での障害者雇用について事例発表「初めての障害者雇用」がありました。長谷川病院での障害者雇用の取り組みは、令和5年9月に地元の三鷹市障がい者就労支援センターに相談したところからスタートし、その後、障害者職業センターからもアドバイスを受けるなど、地域の支援機関をのノウハウやサービスを最大限に活用して準備を進め、職場実習を経た上で、令和6年4月の採用に繋げることができました。説明をお聞きして感じたことは、支援機関がしっかり関わることによって、病院側に多くの実践的なノウハウが伝えられ、障害者雇用が円滑に進められるということでした。

事例発表後には、3つのグループに分かれて意見交換が行われました。意見交換では、障害者雇用について趣旨は理解しても自分の部門での受け入れには抵抗する「総論賛成・各論反対」があること、現場の理解を得る上では特別支援学校の実習の受け入れも効果的であること、定着のためには相談体制やキャリアアップも必要なこと、働きやすい職場として集合型配置も効果的であること、など経験に基づく様々な意見が出て、参加者の皆さんにもとても参考になった様子でした。

参加者が同じ医療業だけに、自院で抱えている問題意識が他院にも共感され、他院のノウハウが自院でも参考になるなど、同業種ならではの意見交換ができ、参加者の皆さんの満足度も高いものでした。

 

徳島労働局では、公的医療機関を対象に障害者雇用の出張研修を企画し、その最初のケースとして、徳島県病院局の協力を得て、徳島県立中央病院(徳島市:440床)で令和7年7月15日に出張研修を実施しました。研修には、病院長、看護局長、薬剤局長をはじめ、病院幹部が20名程参加しました。講演では専門職等の「働き方改革に資する障害者雇用」について、他病院での具体的な事例を含めて紹介しました。受講された皆さんからは、「他病院での事例が参考になった」「医療部門にも障害者が従事できる業務が多くあることが分かった」「職場実習でマッチングを確認することが重要だと理解できた」といった感想をお聞きしました。多くの病院では事務部門が孤軍奮闘して障害者雇用に取り組む中で、病院幹部や様々な医療職が同席する研修の場において、障害者雇用が自らの「働き方改革」にも繋がることについて認識する機会を設ければ、障害者雇用を前向きに考える動きが院内に生じることも期待できます。その意味で、今回の出張研修という新たなスタイルは、多職種が働く病院現場には特に効果的な手法だと思われます。

一方で、今回の研修では県立病院ならではの課題も浮かび上がりました。県立病院では職員が公務員であるため、採用前の職場実習ができない、会計年度任用職員の任期に上限があるなどの制約があるといった指摘もありました。これらは病院現場では如何ともし難く、県の人事制度の問題だと認識されているようです。しかしながら、国の機関では臨時職員について職場実習が行われていたり、任期更新にも柔軟な扱いを認める人事院通知が出ていることからすれば、これらの問題は法制度上の問題というより、各機関での運用の問題かと思われます。

実際、他の都道府県の中には、会計年度任用職員の採用に先立ち職場実習を実施したり、任期更新にも実質的には上限を設けていないところもあります。公的機関では情報共有に対して消極的なところが多いため、こうした情報が共有されず、結果的に公的機関での障害者雇用を進みにくくしている面があると言えます。その意味では、職場実習の必要性や任期更新の弾力的な運用などについて、現場から要望していくことが必要であり、その際には「公務部門の障害者雇用情報サイト」に掲載されている国機関や地方公共団体の雇用事例を参考にしていただくのが良いかと思います。

(研修資料)「徳島県立中央病院研修資料」

独立行政法人国立病院機構(NHO)東海北陸グループでは、「院長・事務部長・看護部長・副学校長合同研修会」と「中間管理者研修(Ⅰ)」に続き、令和7年7月11日に名古屋医療センター(名古屋市)で開催された「中間管理者研修(Ⅱ)」でも障害者雇用が取り上げられました。この研修は、6月に開催された「中間管理者研修(Ⅰ)」と同様に、多職種(事務・看護・コメディカルなど)が合同で参加するもので、今回は看護師長や庶務班長クラスを対象としています。研修には東海北陸グループの各病院から45名が参加されました。

講演のタイトルは同じですが、院長等の経営層を対象としたものと、初めて部下職員を持った中間管理者を対象としたものでは、研修資料の内容もかなり異なっています。今回の「中間管理者研修(Ⅱ)」では、経営層にお話しした内容をお伝えすることを中心に据えて、経営層とともに現場から障害者雇用を進めていくのに役立つ内容としました。

講演後の質疑時間には、院内ジョブコーチをどこから確保するのかという質問がありました。ジョブコーチには現時点では資格制度がないため、この仕事に興味があり適性がある人ならば、院内ジョブコーチとして採用することが可能です。実際、院内ジョブコーチを公募して採用している医療機関もあります。一方で、院内から定年再雇用者や非常勤の事務職員等を院内ジョブコーチに登用している医療機関も少なくありません。院内事情に通じていて関係部門にも顔が効くという意味では、院内登用にはメリットもあるでしょう。障害者雇用の経験や知識がない点については、外部の研修を受けてノウハウを身につける道もあります。院内ジョブコーチとしてのスキルは、実践を通じて磨かれていく部分が大きいと言われています。NHOやJCHOのような公的病院グループでは、各病院の院内ジョブコーチがオンライン等で意見交換できる機会を設け、その場で外部の支援機関のアドバイスを受けられるようにすれば、各病院でも安心して障害者雇用を進められるようになるのではないでしょうか。

(講演資料)「医療現場における障害者雇用の進め方〜タスクシフトで働き方改革〜」

厚生労働省は令和7年6月25日に「令和6年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況等」を発表しました。就職件数は 115,609 件(対前年度 比 4.4%増)で、過去最高となりましたが、障害種別の内訳を見ると、身体障害者は208 件減(0.9%減)、知的障害者は248 件増(1.1%増)、精神障害者は4,920 件増(8.1%増)、その他の障害者(障害者手帳を所持しない発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者など)107 件減(2.1%減)となり、精神障害者の増加が際立っています。この結果、就職件数に占める障害種別の割合は、精神障害者が56.7%(前年は54.7%)、身体障害者は19.6%(20.7%)、知的障害者は19.4%(20.0%)、その他の障害者は4.3%(4.6%)となり、精神障害者の割合が一層増加し、精神障害者以外はすべて割合が低下しました。ハローワークを通じた障害者の雇用においては、もはや精神障害者を抜きにしては人材確保が難しい傾向がますます強まっています。

(資料)「令和6年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況等」

大阪労働局が実施した「医療機関向け 障害者雇用の進め方セミナー」において、当ネットワーク代表の依田が60分間講演した内容について、厚生労働省のアーカイブ配信のサイトが開設されましたので、ご案内します。
アーカイブ配信期間 令和7年7月1日(火)~令和7年9月30日 (火) ※申込期間も同じです。
 (動画視聴は事前申し込みが必要です。動画視聴は、上記アーカイブ配信期間内の限定配信となります。)
視聴方法 7/1~ 受付サイトにて事前申込のうえ【大阪労働局YouTubeチャンネル動画】を視聴いただけます。
     こちらが、セミナーの受付URLです。
他に、7/1~ 大阪労働局のHPからの案内については、以下のURLです。
アーカイブ配信なので、期間内であればいつでも何度でも視聴できますので、是非、多くの医療機関の皆さんに視聴をお勧めいただければ幸いです。