新着情報

今年3月に福岡市で当ネットワーク主催で開催した「医療機関の障害者雇用に関するセミナー」をきっかけに、福岡市立障がい者就労支援センターが「同業種(医療)交流会」を8月から3回シリーズで開催されました。

第1回(8月20日)

 講師 福岡市発達教育センター長

    「特別支援学校での就労に向けた取り組みについて」

第2回(9月20日)

 講師 社会福祉法人野の花学園 中央第一統括施設長

    「就労系福祉サービス事業所の概要や訓練内容等について」

第3回(10月30日)

 講師 福岡県立福岡高等視覚特別支援学校教諭

    「ヘルスキーパー、理療の説明、医療機関でのヘルスキーパー就労事例等」

  紹介 「福岡市立障がい者就労支援センターの支援について」

毎回10〜11病院から14〜16人が参加され、講師による話題提供の後に約60分間の意見交流が行われました。

参加者からは、障害者雇用セミナーなどに参加しても、異業種の集まりのために課題になるところが違うこともあるが、今回のような同業種交流会は共通の課題が多く、知りたい内容について直接やり取りできて有意義だったという意見がありました。また、複数回の交流会のため顔見知りとなる方もできて、気軽に話せるようになったという感想もありました。

交流会の最後には「今回、この交流会に参加し、同様の課題、悩みを有する方々と話すことができ、決して孤独ではないことに気づいた」と話された参加者もいて、主催者としては開催したことの意義を改めて感じたそうです。

医療機関を対象とした同業種交流会は3回で一旦終了となりますが、この後は、福岡市立障がい者就労支援センターの就労支援相談員(企業支援担当)が病院を訪問し、支援のニーズを聞いて対応されるそうです。

福岡から始まった医療機関の障害者雇用の同業種交流の流れが、今後、全国に広がっていくことを期待しています。

 

 

沖縄県主催で、沖縄障害者職業センター共催、名護公共職業安定書後援による障害者雇用セミナーが、2024年10月18日にタピックスタジアム名護(沖縄県名護市)で開催され、沖縄県北部の建設業や医療・福祉業などを中心に30名弱の参加がありました。このセミナーは、令和6年度沖縄県障害者等雇用開拓・定着支援事業として行われ、当ネットワークメンバーの中村淳子さんの所属する障害者就業・生活支援センターティーダ&チムチムが事務局を担当されました。セミナーでは、最初に当ネットワーク代表の依田から「経営者の視点で見た障害者雇用の効果と進め方」をテーマに70分ほど講演した後に、沖縄障害者職業センターの上席障害者職業カウンセラーの小島遼さんから「障害者職業センターが行う事業主支援」について説明がありました。その後、医療・福祉・観光業のグループと、建設業のグループに分かれて情報交換が行われました。最後に、沖縄県商工労働部雇用政策課の雇用推進員の大城ユウ子さんと屋良正子さんから、沖縄県の職場適応訓練事業等の紹介がありました。

参加された事業所の中には、ハローワークから参加を促され、緊張気味で来られた方もいたようですが、セミナー終了後には他の参加者と話をしながらにこやかに帰っていかれたのが印象的でした。会社としてはライバル関係なのでしょうが、同業者で同じような悩みを抱えている他社の担当者と思いを共有できたことが良かったようです。それに加えて、セミナーを通して、会社だげで悩むのではなく、支援機関のサポートが得られることを知れたこともあって、気持ちも明るくなったのでしょう。

(講演資料)「経営者の視点で見た障害者雇用の効果と進め方」

 

 

障害者雇用の先進病院を訪問した際、障害者雇用に積極的に取り組んでいる理由をお聞きすると、看護部長さんに理解があることを指摘されることが多いように思います。病院職員の中では看護職の数が最大であることに加え、看護部門には障害者雇用に適した業務が豊富に存在しているため、看護部門を統括する看護部長の理解と協力が鍵となるからです。

奈良県の多くの公立病院では、特別支援学校の在校生の実習を積極的に受け入れ、看護補助者の採用に繋げています。最初に実習を受け入れた看護部長さんは、当初は知的障害者が病院で働くイメージを持てなかったようですが、実習生が真面目に丁寧に働く姿が周囲から好意的に評価されたことで、採用を決めたそうです。こうした自身の経験を他の病院の看護部長さんに伝えたことで、各病院にも実習の受け入れが広まっていったそうです。

看護部長級のサードレベルの看護管理研修でジョブコーチの説明をした際、「私もジョブコーチの適性があるのでは」とアンケートに回答された方がいました。実際に、これまでお会いした看護部長さんの中にも、退職したらジョブコーチの仕事をしたいと言われる方もいました。

一人一人の特性や強みを見据えた上で、その能力を発揮させていくという障害者雇用の取り組みは、看護部門の人材育成にも通じるものがあるのでしょう。その意味でも、障害者雇用を本格的に進める際には、看護部長さんをプロジェクトに引き込み、良き理解者となってもらうことが不可欠でしょう。

昨年10月に公開した「都道府県等教育委員会の障害者雇用事例」について、各教育委員会のご協力をいただき、令和6年度の状況に内容を更新しました。掲載に協力いただいた教育委員会は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、鳥取県、高知県、熊本県、札幌市、川崎市、大阪市の11都府県市の教育委員会です。

「都道府県等教育委員会の障害者雇用事例」

なお、公務部門の障害者雇用事例については、「公務部門の障害者雇用情報サイト」の「公務部門の障害者雇用事例」に掲載されています。

障害者欠格条項をなくす会、視覚障害をもつ医療従事者の会(ゆいまーる)、聴覚障害をもつ医療従事者の会、DPI日本会議の共催で、オンラインセミナー「障害者の免許全件交付を受けて」が11月27日(水)13時半から開催されます。障害者の欠格条項は、絶対的欠格条項から相対的欠格条項に変更されたものの、相対的欠格条項の下でどの程度の方が免許を交付されているか分からず、資格取得を目指す方には不安がありました。実態調査の結果、免許交付を申請した人は全て免許を交付されていることが分かったことから、欠格条項の存在によって資格取得を諦める必要はないことを知ってもらうため、今回のセミナーを開催することとしたそうです。

「障害者の免許全件交付を受けて」の案内チラシ

国立研究開発法人国立がん研究センターは、障害者雇用に本格的に取り組み始めてから13年ほどですが、中央病院(東京都中央区)では現在30名近いスタッフが働いています。同病院の障害者雇用の状況についてまとめた資料(2024年9月版)を提供いただいたので、「先進事例に学ぶ」で紹介させていただきます。

「国立がん研究センター中央病院における障害者雇用の取組み」(2024年9月版)

医療法人芳越会が運営するホウエツ病院(徳島県美馬市)では、障害のあるスタッフが円滑に業務できるよう、業務の種類ごとに作業工程を細かく写真入りで説明したマニュアルを作成していますが、このマニュアルは業務の際に持ち歩けるよう、カード化されています。こうしたカード式マニュアルは、現在約40種類あります。作成しているのは事務局長の岩脇美和さんで、岩脇さんは社会医療法人化に向けて事務局長の業務が大変多忙な中でも、ホウエツ病院での障害者雇用を中心となって支えてきました。

今回、ホウエツ病院のご厚意で、カード式マニュアルの実例と作成方法の情報を提供いただきましたので、皆さんにご紹介します。

 

【データ作成】

A4ファイル1枚に4枚分のマニュアルを記載する

(記載例)

○ ゴミ捨て作業

○ 医療廃棄物箱作り作業

○ 新聞束作り作業

 

【カード作成】

① A4で印刷

② 1/4に切りラミネート

③ ラミネートしたカード式のものの端を丸く切る(ラミネートの門で手が切れないようにするため)

④ 左上か右上に穴をあける

⑤ 穴にリングをとりつける

  なお、カード作成作業のうち、印刷したものを4つに裁断する作業やラミネート加工する作業については、障害のあるスタッフが行なっているそうです。

 

(参考)

 

「ホウエツ病院における障がい者雇用紹介」

「ジグ活用事例ライブラリー」

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が2024年11月13日〜14日に東京ビックサイトで開催する第32回職業リハビリテーション研究・実践発表会(参加費無料)において、当ネットワークでも度々紹介してきた奈良県立医科大学附属病院の障害者雇用の取組が発表されます。11月13日(水)に「障害者を中心にした障害者雇用体制の構築 〜職場、家庭、地域の就労支援ネットワークによる支援とともに〜」をテーマに特別講演される岡山弘美さんは、同病院の障害者雇用を中心となって支えてきましたが、現在は、奈良県立医科大学発ベンチャー認定企業の株式会社MBTジョブレオーネの代表取締役に就任しています。今回の講演では、病院で働いている障害のあるスタッフも登壇されるそうです。今回の「特別講演」及び「パネルディスカッション」は、12月下旬目処にJEEDのホームページに掲載予定なので、当日参加できない方もご覧いただくことが可能です。

第32回職業リハビテーション研究・実践発表会

徳島労働局の主催により、県や市町村等の公務部門を対象とした障害者雇用セミナーが2024年8月30日にオンラインで開催されました。セミナーには徳島県や徳島県教育委員会のほか、県内のすべての市町から参加申し込みがあるなど、障害者雇用に対する関心の高さが窺われました。セミナーでは、徳島労働局職業安定部長の森広茂さんの挨拶に続き、地方障害者雇用担当官の堤智恵さんから「徳島県の障害者雇用の現状」について説明がありました。続いて、障害者就業・生活支援センターわーくわく主任就職支援ワーカーの佐野和明さんから「支援機関との連携について」説明がありました。その後、当ネットワークの依田から「地方公共団体における障害者雇用の進め方〜成功への道筋〜」について60分講演をしました。

講演後には、受講者の皆さんからの質問に佐野さんと二人でお答えしました。質問内容をお聞きすると、民間企業と共通する悩みも多く、民間企業に対する支援を通じて蓄積されてきた支援機関のノウハウが活用できることを、改めて感じさせられました。この点について、公的機関の利用に制約があった障害者就業・生活支援センターのサービスについても、制度の運用が見直され利用しやすくなったことが、佐野さんから紹介されました。

一方で、公務部門特有の問題についても質問がありました。国が作成した「公務部門の障害者雇用マニュアル」等でも推奨されている職場実習について、特定の機関から実習を受け入れることに問題はないのかという質問です。公務員の採用に係る「平等取り扱い原則」とも関連するテーマですが、この点については「職場実習を公募する」ことでクリアできると考えられます。実習を公募するという情報を、教育委員会から近隣の学校に伝えたり、障害者就業・生活支援センターから近隣の就労支援事業所に情報提供することで、特定の機関に限らず広い範囲から応募してもらい、その中から実習生を選考している公務部門の職場もあります。その際には、事前に地元のハローワークに相談いただくのが良いでしょう。

今回のような公務部門を対象としたセミナーは、現場のニーズは相当高いと感じますが、未だ実施している地域は極めて少ない状況です。障害者職業センターの公務部門への関わりが制限されているだけに、労働局が中心となって公務部門への情報提供をしていく必要性は高いでしょう。その意味でも、今回のような取組が全国に広がっていくことを期待されます。

(講演資料)「地方公共団体における障害者雇用の進め方〜成功への道筋〜」

令和6年3月13日に福岡市で開催した「医療機関の障害者雇用に関するセミナー」及び7月26日に東京障害者職業センター多摩支所の主催で開催した医療機関を対象とした雇用サポート講習会などで、医療機関の皆さんから寄せられた質問について、Q&Aに整理して「医療機関の障害者雇用Q&A」に15問追加し、第3版として令和6年8月28日に公開しましたので、ご活用いただければ幸いです。

○  医療機関の障害者雇用Q&A(第3版)

 

(追加質問)

Q10 集中配置の場合には、そこで勤務する障害者の所属はどこにすれば良いのか。

Q13 院内ジョブコーチはどのようにして探せば良いのか。

Q14 院内ジョブコーチの人材を院内から探したいが、適性を見るポイントは何か。

Q15 院内ジョブコーチを外部から採用する場合、処遇はどのようにすれば良いか。

Q17 院内ジョブコーチの配置には特別なコストが必要だが、その財源についてどう考えるのか。

Q18 法人として複数の病院や診療所を経営しているが、法人全体の障害者雇用を進めるために、本部としてどのようなことを行うと良いか。

Q34 障害のある職員が担当している業務だけでは手空き時間が生じてしまうが、どうすれば良いか。

Q35 担当業務が同時期に重なってしまう場合があるが、どのように対応するのか。

Q38 病棟では夜勤などの交代勤務があるが、病棟で働く障害者のサポート体制はどうすれば良いか。

Q41 出勤が不安定で業務に穴が空いてしまうことがあるが、どうすれば良いか。

Q42 障害のある職員の執務環境について配慮すべきことはあるか。

Q44 仕事以外のトラブルに対し、職場はどこまで関われば良いのか。

Q55 患者さんとうまく接することができない者には、どのような業務を担当してもらえば良いか。

Q57 長期間休んでしまった者に対して、どのように扱えば良いか。

Q63 医療機関の職員向け研修について、どのような受講上の配慮をすれば良いか。