行政資料

○「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」に見る公立病院の雇用状況

厚生労働省は、令和元年12月25日付けで「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」を公表しました。

(資料)「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」

このうち、医療機関の運営を主とする法人の状況を見ると、国レベルの機関では国立がん研究センター(2.72%)、国立国際医療研究センター(2.69%)、国立循環器病研究センター(2.61%)、国立成育医療研究センター(2.58%)、国立精神・神経医療研究センター(2.57%)、国立長寿医療研究センター(2.58%)、国立病院機構(2.66%)、地域医療機能推進機構(2.64%)、労働者健康安全機構(2.86%)となり、いずれも法定雇用率(2.5%)を上回る結果でした。これに対して、医科系の国立大学では旭川医科大学(2.5%)、東京医科歯科大学(2.28%)、浜松医科大学(2.31%)、滋賀医科大学(2.59%)と法定雇用率を下回る大学が2大学ありましたが、東京医科歯科大学は12月3日時点、浜松医科大学は10月1日時点で不足数はゼロになっています。

一方、都道府県の病院局では、北海道道立病院局(1.52%)、青森県病院局(1.50%)、岩手県病院局(2.55%)、福島県病院局1.57%)、茨城県病院局(2.83%)、群馬県病院局(2.56%)、埼玉県病院局(2.77%)、千葉県病院局(2.84%)、新潟県病院局(3.39%)、静岡県がんセンター局(2.73%)愛知県病院事業庁(2.78%)、三重県病院事業庁(3.38%)、兵庫県病院局(1.87%)、南和広域医療企業団(2.30%)、鳥取県病院局(2.52%)、島根県病院局(0.94%)、徳島県病院局(3.11%)、長崎県病院企業団(2.80%)、熊本県病院局(4.20%)、大分県病院局(3.11%)、宮崎県病院局(1.68%)、鹿児島県県立病院局(1.73%)、沖縄県病院事業局(0.66%)と昨年同様に法人によって大きな差があります。

昨年不足数の多かった病院局について本年の集計結果を見ると、沖縄県病院事業局(44.0人→41.0人)、兵庫県病院局(27.5人→24.0人)、島根県病院局(9.0人→8.0人)、鹿児島県県立病院局(9.0人→4.0人)、茨城県病院局(7.0人→0人)、北海道立病院局(6.0人→4.0人)、宮崎県病院局(6.0人→8.0人)となっています。不足数を解消した病院局がある一方で、大幅な不足数がある病院局で取り組みが進んでいない状況もあります。当ネットワークが提案するように、医療機関の「働き方改革」に資する障害者雇用という視点で、前向きに取り組まれることが期待されるところです。

 

○令和元年障害者雇用状況の集計結果(公務部門)

厚生労働省は、令和元年12月25日に民間企業や公的機関などにおける、令和元年の「障害者雇用状況」集計結果を取りまとめ、公表しました。障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うことを義務付けています。今回の集計結果は、同法に基づき、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主などに報告を求め、それを集計したものです。

【公的機関】(法定雇用率2.5%、都道府県などの教育委員会は2.4%)

○雇用障害者数はいずれも対前年で上回る。※( )は前年の値
・  国  :雇用障害者数 7,577.0人(3,902.5人)、実雇用率 2.31%(1.22%)
・都 道 府 県:雇用障害者数 9,033.0人(8,244.5人)、実雇用率 2.61%(2.44%)
・市 町   村:雇用障害者数 2万8,978.0人(2万7,145.5人)、実雇用率2.41%(2.38%)
・教育委員会:雇用障害者数 1万3,477.5人(1万2,607.5人)、実雇用率1.89%(1.90%)

【独立行政法人など】(法定雇用率2.5%)
○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で上回る。※( )は前年の値
・雇用障害者数 1万1,612.0人(1万1,010.0人)、実雇用率 2.63%(2.54%)

(資料)令和元年障害者雇用状況の集計結果

 

○令和2年度障害者雇用施策関係予算案のポイント(令和元年12月20日)

令和2年度予算政府案が令和元年12月20日に閣議決定され、厚生労働省は障害者雇用施策関係予算案を「障害者に対する就労支援の推進~令和2年度障害者雇用施策関係予算案のポイント~」に取りまとめ、公表しました。

令和2年度予算案においては、① 公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の強化、② 中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化、③ 精神障害者・発達障害者・難病患者等の多様な特性に対応した就労支援の強化、を主要な柱として、障害者に対する就労支援及び定着支援の充実・強化を図ることとしています。

(資料)「障害者に対する就労支援の推進~令和2年度障害者雇用施策関係予算案のポイント~」

 

○令和2年度障害者雇用施策関係予算概算要求のポイント(令和元年8月29日)

厚生労働省は、「令和2年度厚生労働省所管予算概算要求」を取りまとめ、令和元年8月29日に財務省に提出しました。このうち障害者雇用施策関係部分については、障害者雇用対策課等から「障害者に対する就労支援の推進~令和2年度障害者雇用施策関係予算概算要求のポイント~」が公表されました。施策の柱としては、①公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の強化、②中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化、③精神障害者、発達障害者、難病患者等の多様な障害特性に対応した就労支援の強化の3点で、総額27,283百万円となっています。新規予算の項目はなく、継続予算の事業規模の拡大が中心となっています。

「障害者に対する就労支援の推進~令和2年度障害者雇用施策関係予算概算要求のポイント~」

 

○国の行政機関の障害者の採用・定着状況等特別調査の集計結果(令和元年8月28日)

厚生労働省は「国の行政機関の障害者の採用・定着状況等特別調査」の集計結果を取りまとめ、令和元年8月28日に公表しました。この集計結果においては、平成30年10月23日から令和元年6月1日までに国の行政機関に採用された障害者について、令和元年6月1日現在の定着状況等が明らかにされています。

この間の採用者は、常勤・非常勤合わせて3,131人(実数)で、その7割以上が非常勤職員としての採用でした。3,131人のうち161人(非常勤職員が159人)が既に離職していました。定着率は94.9%となり、この数字だけを見ると安定して働けているようにも見えますが、実際の雇用現場からは、障害に関する自己理解の乏しい者など職業準備性の低い者が多く雇用されている、仕事を任せられず職場の重荷となっている、どう指導して良いか分からないなど、切実な状況も聞こえてきます。これには、採用に当たって職場実習を行うケースがほとんどないことも関係していると思われます。正規職員である常勤職員の採用には職場実習を組み込むことは難しいですが、弾力的な採用手続が可能な非常勤職員についても職場実習が行われていない実態からは、職場実習を通じて障害特性の確認や仕事との適性を確認するという障害者雇用の常識が、身体障害者以外の雇用実績が少ない公務部門では未だ理解されていない状況にあることが伺われます。

障害特性と仕事とのマッチングがされず、職場で戦力になることができないまま、任期切れまでいるだけという状態は、本人の仕事へのモチベーションが持てないだけでなく、周りの職員にも負担が大きいことから、早急な改善が求められるところです。

「国の行政機関の障害者の採用・定着状況等特別調査の集計結果」

 

○平成30年度障害者雇用実態調査の結果公表(令和元年6月25日)

厚生労働省では、民営事業所における障害者の雇用の実態を把握し、今後の障害者の雇用施策の検討や立案に役立てることを目的に、5年ごとに「障害者雇用実態調査」を実施しています。平成30(2018)年6月に実施された調査結果について、令和元年6月25日に「平成30年度障害者雇用実態調査結果」が厚生労働省から発表されました。
調査は、常用労働者5人以上を雇用する民営事業所のうち、無作為に抽出した約9,200事業所が対象となっており、回収数は、6,181事業所(回収率67.2%)でした。

過去の調査では、複数の種類の障害がある者については、いずれかの障害に寄せて計上していましたが、今回の調査ではそれぞれの障害に重複して計上しています。また、発達障害の扱いについても、見直しがされています。前回調査では、発達障害者のうち精神保健福祉手帳を有する者が精神障害者として計上されていましたが、今回の調査では精神障害保健福祉手帳を有しない者でも精神科医の診断で発達障害が確認された者は調査対象としています。このため、発達障害者についても、精神障害との重複障害の有無に関わらず、雇用の実態が把握できることになりました。

「平成30年度障害者雇用実態調査結果の主なポイント」

「平成30年度障害者雇用実態調査結果」

 

○「平成30年国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」から見る公的医療部門の障害者雇用状況

厚生労働省は、平成30年12月25日付けで「平成30年 国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」を公表しました。例年この時期に公表されるのは、6月1日現在の民間企業と国の機関等の雇用状況の数値ですが、今回は国の機関等の集計結果のみで、民間企業における雇用状況については「データ入力のための作業ツールの不具合により、平成31年3月末までに公表する予定」とのことです。

(資料)「平成30年 国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」

昨年夏以来、公務部門における障害者雇用率の算定について不適切な問題が指摘され、平成29年6月1日現在の障害者雇用状況の数値が大幅に下方修正されたことから、今回新たに取りまとめられた平成30年6月1日の数字も同様に低いものとなっています。

このうち、医療機関の運営を主とする法人の状況を見ると、国レベルの機関では国立がん研究センター(2.63%)、国立国際医療研究センター(2.59%)、国立循環器病研究センター(2.65%)、国立成育医療研究センター(2.58%)、国立精神・神経医療研究センター(2.51%)、国立長寿医療研究センター(2.75%)、国立病院機構(2.49%)、地域医療機能推進機構(2.69%)、労働者健康安全機構(2.91%)となり、国立病院機構(不足数5名は既に解消)を除けば法定雇用率を上回る結果でした。これに対して、医科系の国立大学では旭川医科大学(2.27%)、東京医科歯科大学(2.38%)、浜松医科大学(2.42%)、滋賀医科大学(2.31%)といずれも法定雇用率を下回る結果でした。

一方、都道府県の病院局では、北海道立病院局(1.05%)、青森県病院局(2.61%)、岩手県病院局(2.53%)、福島県病院局(3.23%)、茨城県病院局(1.31%)、群馬県病院局(2.65%)、埼玉県病院局(2.57%)、千葉県病院局(2.32%)、新潟県病院局(3.19%)、静岡県がんセンター局(2.49%)愛知県病院事業庁(2.80%)、三重県病院事業庁(3.97%)、兵庫県病院局(1.79%)、南和広域医療企業団(1.97%)、鳥取県病院局(2.51%)、島根県病院局(0.58%)、徳島県病院局(3.14%)、長崎県病院企業団(2.53%)、熊本県病院局(1.53%)、大分県病院局(4.22%)、宮崎県病院局(1.43%)、鹿児島県県立病院局(0.60%)と法人によって大きな差があります。

特に不足数の多い沖縄県病院局(44.0人)、兵庫県病院局(27.5人)、島根県病院局(9.0人)、鹿児島県県立病院局(9.0人)、茨城県病院局(7人)、北海道立病院局(6.0人)、宮崎県病院局(6.0人)では、ジョブコーチを配置したチーム就労の体制を作ることが効果的と思われます。その意味では、地域の就労支援機関から積極的に働きかけを行うなど、地域での総合的かつ継続的なサポート体制の構築が期待されます。