模擬訓練でトラブル防止

障害のあるスタッフの担う業務を院内で検討する際、患者と接する可能性がある業務は避けるべきとの意見が出てきます。患者に迷惑をかけられないという意見はもっともですが、そのリスクは工夫次第で減らすこともできるのです。先進的な医療機関では、リスクを減らすための様々な取り組みが行われていますが、言葉の説明だけでは理解が難しかったり、臨機応変な対応が苦手なスタッフには、模擬訓練という手法が効果的な面があります。

関東地方の大学病院では、台車で物を運んでいる際に、横から急に人が出てくる場面を想定した模擬訓練を行っています。実際のシーンを体験して、各自が気づいた点を色々と指摘し合い、どうすれば問題を防げるか一緒に考えるようにしています。こうしたことを通じて、注意すべき具体的なポイントがスタッフや指導する側で共有されるようになり、院内での運搬業務も安全に行えているそうです。