さんぽ会(産業保健研究会)での遠隔支援についての発表(令和元年5月9日)

産業医や企業の産業保健スタッフ・人事担当者、健康保険組合など、産業保健に関わる様々な関係者が 集まって毎回活発に発表、議論している産業保健研究会(さんぽ会)は、5月9日の月例会においては「自立と関係性を高める支援~精神・発達障害の就労支援から始まったSPIS(エスピス)に学ぶ」をテーマに開催されました。

障害者雇用の現場で開発された自己管理/就労支援のためのWeb日報システム「SPIS(エスピス:Supporting People to Improve Stability)」は、延べ150社以上700名以上が利用し職場定着に高い実績を上げていますが、近年、メンタル不調の一般雇用社員の復職支援にも活用されています。

今回の発表者は4人で、SPIS研究所理事長の宇田亮一さんから「なぜ、SPISはメンタルヘルス不調者の就労定着に役立つのか」を説明したのに続き、島津製作所人事部マネージャーの境浩史さんと全国土木建築国民健康保険組合人事課係長の町田睦夫さんから、うつ病の復職職員や発達障害の採用職員に対するSPISの活用事例と効果について報告し、最後に当ネットワークの依田晶男から「遠隔支援による定着支援の課題~SPISの経験から~」をテーマに今後の課題について発表しました。

クラウド型のWeb日報システムであるSPISは、本人・人事担当者・外部支援者の三者で本人の状況を把握できる情報共有ツールであることから、従来の定期訪問的で事後対応になりがちな「定着支援」のあり方を大きく変える可能性を持つものだと感じています。

 

「遠隔支援による定着支援の課題~SPISの経験から~」