徳島「働こう!」交流会のパネルディスカッション「医療機関における障がい者雇用」(令和5年2月25日)

一般社団法人徳島県障がい者雇用支援協会の主催による「徳島『働こう!』交流会」が令和5年2月25日にオンライン方式で開催され、100名を超える参加がありました。「徳島『働こう!』交流会」は、雇用企業や支援機関の皆さんのほか、働いている障がいのある方も多く参加している点に特色があります。

交流会では、初めに「徳島県障がい者雇用支援協会・従業員表彰」の報告があり、勤続15年・10年・5年の表彰を受けられた皆さんの紹介があり、続いて「医療機関における障がい者雇用」をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションでは、最初に当ネットワークの依田から「医療機関での働き方」と題して、医療機関は専門職の多い職場であること、多忙である専門職の仕事を手助けする仕事がたくさんあることについて、具体的な事例で詳しく紹介しました。引き続き、徳島県内の2病院から障害者雇用の事例発表がありました。美馬市にある医療法人芳越会事務局長の岩脇美和さんからは、地域の2次救急医療を担うホウエツ病院(病床数65床)の障害者雇用について、各部署からの業務の切り出し、ホワイトボードによるタイムスケジュールの可視化、全ての業務を対象としたカード式マニュアルの整備、体調変化などを把握しやすい業務日報の作成など、現場で工夫された様々なノウハウの紹介がありました。鳴門市にある医療法人敬愛会が運営する南海病院(精神科301床)の精神保健福祉士の法華伸午さんからは、障害者雇用に取り組むに当たって、ハローワークのほか障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターの専門機関の協力を得て、看護補助業務等の職域開発に取り組んできたこと、障害のある方が一緒に働くことで就労支援に関わる医療職の熱量にも変化が生じてきたことなどが報告されました。両病院とも、人材不足への対応として障害者雇用を活用してくことについて、病院トップの理解が得られたことで、現場の職員の理解も進んでいったようで、今では「いてくれないと困る」というように、戦力として期待されているそうです。雇用率達成のためという受け身の姿勢ではなく、医療職の働き方改革につなげていくという視点は、他の病院にも大変参考になるものでしょう。

なお、この会の事務局を担当している障碍者就業・ 生活支援センターわーくわくの佐野さんによれば、パネルディスカッションを視聴された当事者のみなさんからは、「分かりやすかった」「病院で働くのもええなー」といったお話をいただいたとのことです。

(資料)「医療機関での働き方」