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退職まであと2年余りです。退職後は、社会保険労務士と行政書士の資格を生かして障がい者とその家族に寄り添い、障がい者の雇用にお役に立てることがあればと思っています。

病院勤務医として一般的な業務の傍ら、研修医、及び整形外科の専門医を目指す医師の研修指導に携わっています。私自身が中途障害ですが(肢体不自由、2級)、働き方の工夫を試行錯誤した経験を活かしつつ、ハンディキャップのある若手医師やコメディカルの職場での活躍を支援していけたらよいと思っております。

平成28年度「精神科医療機関とハローワークの連携モデル事業」のコーディネーター

当ネットワークのメンバーである国立がん研究センター中央病院の取り組みが「看護管理」(医学書院発行)の3月号に掲載されました。特別記事の「スタッフに歓迎される障害者雇用の実現~国立がん研究センター中央病院の取り組み」には、福田人事課長と那須看護部長による雇用事例の紹介と現場の写真が6ページにわたり掲載されています。病院をあげた障害者雇用の推進とともに、看護部門の視点から障害者雇用の意義を取り上げています。看護業務の効率化に資する形での障害者雇用の実現について、看護管理職が主たる読者の雑誌に掲載された意味は大きいと言えます。病院内で事務部門から看護部門に障害者雇用を働きかける際にも、こうした具体例を紹介すると効果的でしょう。

 

『看護管理』26巻3月号

特別記事:スタッフに歓迎される障害者雇用の実現―国立がん研究センター中央病院の取り組み(福田一行/那須和子)

記事見本1ページ分(掲載許諾済・無断転載禁止)

○購入は医学書院ホームページより

2006(平成18)年12月に国連で採択された障害者権利条約は、障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な国際条約であり、我が国は2007(平成19)年に署名しました。同条約の批准に向けた法整備の一環として、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が制定されるとともに、労働・雇用分野については「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正が行われました(2013(平成25)年6月成立)。こうした法整備を経て、我が国は2014(平成26)年1月20日に障害者権利条約を批准し、同年2月19日から同条約は我が国に効力を発生しました。

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」では、雇用分野以外の全般について「差別的取り扱いの禁止」は法的義務とされていましたが、「合理的配慮の不提供の禁止」は民間事業主には努力義務を課すにとどめていました。2021年(令和3年)5月の法改正で民間事業主にも法的義務が課せられることになり、令和6年4月1日)から施行されました。

医療機関向けには「医療分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針」(令和6年3 月厚生労働大臣決定)が策定されており、障害種別ごとに主な対応が示されています。

(参考)「障害者差別解消法  医療関係事業者向けガイドライン〜医療分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針〜」

一方、雇用分野については、「障害を理由とする差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供義務」がいずれも事業主への法的義務として課せられています。

労働・雇用分野での具体的な措置については、「(5)雇用主の法的義務としての「合理的配慮」が提供できる」に記載しているので、そちらをご覧ください。

障害者雇用を進める中で、事業主として「合理的な配慮」に関する経験が重なるほど、障害に対する理解も深まることから、障害者雇用を進めることは、単に雇用者としての立場だけでなく、医療機関を利用する障害のある患者、家族、見舞客などに対するサービス提供者としての立場としても、サービスの質の向上につながることが期待できます。

(参考)「医療機関に関する良かったこと調査」報告書

関東地方にある公立病院では、高額な委託費の削減が経営改善委員会で検討され、薬剤搬送業務の内製化が提案されました。しかしながら、病棟の看護助手が薬剤部まで薬剤カートを取りに行くことには、病棟業務が集中する時間帯と重なるため、難しいと考えられました。

そうした中で、障害のあるスタッフが事務室間の書類搬送を行っていたことから、「彼らならできるのではないか」という声が上がり、内製化が実現したそうです。これが新たな職域となり、更に雇用数が増える好循環を生み出しました。

障害のあるスタッフの仕事を作るために、敢えて清掃等の外注業務を内製化しようとする病院もあるようですが、この病院では経営改善のための方策として内製化が検討され、その実現に障害者雇用が貢献できた好事例と言えるでしょう。

うつ病等で休職したような場合、初回の休職では医療機関の外来やリワークプログラムで復職できるケースも多いようですが、休職を繰り返す場合などには、各都道府県にある地域障害者職業センターが実施するリワーク支援を活用することも効果的です。リワーク支援の利用は、在職中の者に限られ、支援開始にあたっては雇用事業主、支援対象者、主治医の三者の同意を必要としています。利用に際しては、精神障害者保健福祉手帳等を取得していることは条件とされていません。リワーク支援の支援期間は3~4か月程度で、復職先の職務及び環境への対応やストレス対応等の適応力の向上に向けた支援が行われています。地域障害者職業センターでは事業主側への支援も充実しているため、休職を繰り返すようなケースで職場側での環境整備が必要な場合には、リワーク支援を活用することが効果的でしょう。

(参考1)うつ病などで休職しており、職場復帰をお考えの方に(リンク)

(参考2)職場復帰支援(リワーク支援)~利用者の声~(リンク)

「働く広場」(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構発行)の3月号に昨年12月に開催された公開座談会「精神障害者雇用は今!~精神障害者の職域拡大の可能性について~」の採録が掲載されました。座談会の最後では、当ネットワークの趣旨やホームページについて紹介しています。

(「働く広場」平成28年3月号)

障害者を雇用したけれども、本人にやる気が見られない、仕事が覚えられない、周りの人間とうまくいかない、職場に定着しないといったような、雇ったものの「失敗」だったと雇用した側で考えられている事例には、いくつかの共通点が見られます。実際に医療機関の皆さんからお聞きしたお話をもとに、以下のように整理してみました。、

タイプ1:「働く意識」の乏しい者を雇用してしまうケース

タイプ2:「仕事の切り出し」ができないまま雇用してしまうケース

タイプ3:障害特性と仕事の「マッチング」を確認せず雇用してしまうケース

タイプ4:院内への周知をせずに障害者雇用を進めてしまうケース

タイプ5:支援機関のサポートを活用しないケース