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労災病院を運営する独立行政法人労働者健康福祉機構の「全国労災病院事務局次長・総務課長会議」に当ネットワークから講師として参加し、「病院における障害者雇用」について講演を行いました。

従来、法定雇用率を達成してきた事業者においても、職員が定年に達したこと等により退職したため、新たに職員を雇用しないと法定雇用率割れとなる事態が生じています。このような事態を防ぐには、法定雇用率ぎりぎりでの雇用ではなく、多少の余裕を持たせた雇用が望まれます。また、古くから障害者雇用を進めてきた事業所では、身体障害のみの雇用が多く、退職後の補充についても身体障害での募集をしがちですが、募集をしたものの人材確保ができないという実態もあります。知的障害や精神障害のある者の雇用を進めるには、後述するように採用前に職場実習を行うことが望ましいため、事前に十分な時間的余裕をもって補充の準備を進める必要があります。

民間の事業所に適用される法定雇用率は、平成25年4月に1.8%から2.0%に引き上げられましたが、精神障害者が法定雇用率の算定基礎に追加されるのに伴い、法定雇用率は平成30年4月1日に2.2%(独立行政法人等は2.5%)に引き上げられ、3年を経過する日より前に2.3%(同2.6%)に引き上げられることが決まりました。このため、現在は法定雇用率を達成している事業所でも、更に雇用を進めないと未達成状態になる可能性があります。

(参考)法定雇用率引き上げの影響

これに加え、医療機関では「除外率」の縮小に伴う実質的な法定雇用率の引き上げにも注意する必要があります。従来、医療業の「除外率」は50%でしたが、平成16年4月に「除外率」の制度は廃止され、現在は経過措置として存続している状態です。医療業の除外率は、平成16年4月に40%に引き下げられ、更に平成22年7月に30%に引き下げられました。除外率による下駄を外せば、現在2.0%を達成している事業所の実雇用率も、実態は1.4%に過ぎないことになります。今後、除外率は段階的にゼロに近づいていくので、除外率が適用されている医療業では、法定雇用率の達成に向けたハードルは他業種以上に高くなることに十分留意する必要があります。

(参考)法定雇用率の引き上げや除外率が廃止された場合の雇用必要数の増加パターン

雇用率には、各事業主が雇用すべき水準として定められる「法定雇用率」と、実際に各事業主が雇用している水準である「実雇用率」の2つのものがあります。各事業主の「実雇用率」については、毎年6月1日時点での状況をハローワークに報告することが義務付けられています。

「実雇用率」が「法定雇用率」に達していない事業主に対しては、ハローワークにより雇用率達成に向けた指導が行われます。実雇用率が低い事業主は、2年以内に法定雇用率を達成するための「雇入れ計画」を作成し、計画に基づき障害者雇用を推進するよう指導されます。「雇入れ計画」終了時点で雇用状況の改善が特に遅れている企業に対しては、企業名の公表を前提とした特別指導を実施(計画期間終了後に9か月間)され、特別指導を受けても改善されない場合には、厚生労働大臣により企業名が公表されます。

国及び都道府県の機関(以下「国等の機関」)については、障害者雇用促進法第39条第2項に基づき、雇用状況に改善が見られない場合、障害者採用計画の期間終了後に適正実施を勧告できることになっていますが、平成27年3月31日には、厚生労働大臣から県立病院を運営する青森県病院局と福島県病院局に対して勧告を行う旨が公表されました。

(参考)障害者雇用率達成指導の流れ

(参考)障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表等について(リンク)

医療機関の障害者雇用ネットワークのホームページ開設について、医療関係団体にお知らせしたところ、一般社団法人日本病院会では会員各病院に対し、当ネットワークホームページの開設について周知する通知を発出いただきました。

(日本病院会の通知

先進的な取り組みをされている医療機関の雇用事例について、当該医療機関で作成された資料や他機関のホームページで紹介されているものをご紹介します。

がん研有明病院(東京都江東区)

国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)

国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)

駒木野病院(東京都八王子市)

埼玉県立循環器・心臓病センター(埼玉県熊谷市)

三楽病院(東京都千代田区)

JCHO大阪病院(大阪市)

JCHO九州病院(北九州市)

静岡済生会総合病院(静岡市)

鈴鹿中央総合病院等(特例子会社 株式会社三厚連ウイズ)(三重県鈴鹿市)

住吉病院(「働く広場」からの転載)(甲府市)

聖マリアンナ医科大学附属病院(川崎市)

帝京大学病院(特例子会社 株式会社提供サポート(「働く広場」からの転載))(東京都板橋区)

東京女子医科大学病院(特例子会社 株式会社ジェイ・アイ ハートサービス)(東京都新宿区)

奈良県立医科大学附属病院(奈良県橿原市)

博愛会病院(福岡市)

ホウエツ病院(徳島県美馬市)

並木病院(名古屋市)

 

上記に掲げた支援機関の内容は、地域によってかなり状況が異なっています。自分の地域ではこうだという情報をお寄せいただければ、情報内容を更に充実していきます。

障害の程度が比較的重い子どもを対象として、専門性の高い教育を行う学校です。高等学校に相当する高等部の2年、3年次において、実際の職場を対象とした現場実習(職場実習)が行われます。特に、3年次の現場実習は、卒業時の採用を意識して、職場との適性を判断するために行われており、実際にこのルートで毎年多くの卒業生が実習先に採用されています。進路担当等の専任教員が職場開拓等を行っています。近年では、比較的軽度の知的障害の生徒を対象にした職業科等を設置する学校もあり、このような学校では事業所への就職率が100%のところもあります。

一般の公共職業能力開発施設において職業訓練を受けることが困難な重度障害者等に対して、その障害の態様に配慮した職業訓練を実施しています。

(参考)

障害者能力開発施設(国立・府県立)(リンク)

障害者能力開発施設(民間)(リンク)

都道府県や政令市等の単独事業により、障害者の就業を支援する機関が市町村単位等できめ細かく設置されている地域もあります。こうした機関の存在や活動状況については、地元のハローワークや地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターを通じて確認されることをお勧めします。

北海道:

【札幌市】就業・生活相談室(4か所)

宮城県:

【仙台市】仙台市障害者就労支援センター

埼玉県:

【県】市町村障害者就労支援センター(41か所)(1) (2)

【県】埼玉県障害者雇用総合サポートセンター

【県】発達障害者就労支援センター(4か所)

【さいたま市】さいたま市障害者総合支援センター

千葉県:

【県・千葉市の共同】千葉障害者就業支援キャリア障害者職業センター

【市川市】市川市就労支援センター

【我孫子市】我孫子市就労支援センター

【浦安市】浦安市就労支援センター

【県】企業支援員(障害者雇用アドバイザー)事業 (16法人に委託)

【柏市】ジョブコーチ派遣事業

東京都:

【都】区市町村障害者就労支援センター (53区市町村、61か所)

【都】東京ジョブコーチ支援事業

神奈川県:

【県】就労援助センター (5か所)

【横浜市】横浜市障害者就労支援センター (9か所)

【川崎市】障害者地域就労援助センター (3か所)

【相模原市】相模原就労援助センター

新潟県:

【新潟市】新潟市障がい者就業支援センター

富山県:

【県】企業の障害者雇用担当者への個別支援事業

石川県:

【県】企業の障害者雇用担当者への個別支援事業

岐阜県:

【県】障がい者総合就労支援センター

静岡県:

【県】ジョブコーチ派遣制度

愛知県:

【愛知労働局・県・名古屋市】あいち障害者雇用総合サポートデスク

【名古屋市】障害者就労支援センター

滋賀県:

【県・市町】障害者働き・暮らし応援センター(7か所)

京都府:

【府】障害者雇用企業サポートセンター

大阪府:

【府】障がい者雇用促進センター

【大阪市】大阪市障がい者就業・生活支援センター(7か所)

兵庫県:

【県】ひょうごジョブコーチ

奈良県:

【県】精神障害者・発達障害者雇用企業サポート事業

福岡県:

【福岡市】福岡市障がい者就労支援センター

佐賀県:

【県】障害者と企業の架け橋事業

大分県:

【県】障がい者雇用アドバイザー