新着情報

厚生労働省は、令和元年12月25日に民間企業や公的機関などにおける、令和元年の「障害者雇用状況」集計結果を取りまとめ、公表しました。障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うことを義務付けています。今回の集計結果は、同法に基づき、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況について、障害者の雇用義務のある事業主などに報告を求め、それを集計したものです。

【公的機関】(法定雇用率2.5%、都道府県などの教育委員会は2.4%)

○雇用障害者数はいずれも対前年で上回る。※( )は前年の値
・  国  :雇用障害者数 7,577.0人(3,902.5人)、実雇用率 2.31%(1.22%)
・都 道 府 県:雇用障害者数 9,033.0人(8,244.5人)、実雇用率 2.61%(2.44%)
・市 町   村:雇用障害者数 2万8,978.0人(2万7,145.5人)、実雇用率2.41%(2.38%)
・教育委員会:雇用障害者数 1万3,477.5人(1万2,607.5人)、実雇用率1.89%(1.90%)

【独立行政法人など】(法定雇用率2.5%)
○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で上回る。※( )は前年の値
・雇用障害者数 1万1,612.0人(1万1,010.0人)、実雇用率 2.63%(2.54%)

(資料)令和元年障害者雇用状況の集計結果

ネットワークメンバーである桜ヶ丘記念病院の中原さとみさんから、精神障害者の就労支援サービスの一つである「IPS 援助付き雇用」を紹介する翻訳本の出版に係るクラウドファンディングの案内がありましたので、紹介させていただきます。原著はサラ・スワンソンとデボラ・ベッカーで2008年に発刊されましたが、今回の翻訳は 2015 年の改定版です。翻訳出版社は金剛出版、出版は2020 年 5 月を予定しており、1月6日からクラウドファンディングがスタートしました。詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

https://readyfor.jp/projects/ips-supported-employment

 

令和2年度予算政府案が令和元年12月20日に閣議決定され、厚生労働省は障害者雇用施策関係予算案を「障害者に対する就労支援の推進~令和2年度障害者雇用施策関係予算案のポイント~」に取りまとめ、公表しました。

令和2年度予算案においては、① 公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の強化、② 中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化、③ 精神障害者・発達障害者・難病患者等の多様な特性に対応した就労支援の強化、を主要な柱として、障害者に対する就労支援及び定着支援の充実・強化を図ることとしています。

(資料)「障害者に対する就労支援の推進~令和2年度障害者雇用施策関係予算案のポイント~」

兵庫県加古川市を中心に活動している社会福祉法人加古川はぐるま福祉会(代表者の高井敏子さんは当ネットワークのメンバー)は、地域の就労支援力向上を目指して、毎年「障害者就労支援研修会」を開催しています。令和元年度の研修会は12月6日に加古川市民ホール(兵庫県加古川市)で開催され、午前中は「障害者雇用の動向~多様化する現代の障害と生き方~」をテーマに代表世話人の依田が講演を行いました。午後は北播磨障害者就業・生活支援センター主任就業支援担当者の森一人さんが障害者就業・生活支援センターの取り組みについて講演されるとともに、当事者からのメッセージとして、株式会社スタッフサービス・ビジネスサポートでクラウドクルーとして働かれている長谷川雄輝さんと株式会社コダイで勤務されている三木優樹さんから、働くことで自己実現を目指す内容の発表がありました。その後、3つのグループに分かれて講師を囲んだディスカッションが行われました。研修会には、就労支援機関のほか、企業、行政、福祉、教育、医療など県内の広い範囲から130名が参加し、活発な意見交換が行われました。

 

(講演資料)「障害者雇用の動向〜多様化する現代の障害と生き方〜」

講演骨子

 

 

国立研究開発法人国立がん研究センターは、がんの治療・研究・情報提供に関する最先端の機関ですが、医療機関における障害者雇用の面でも積極的な取り組みが行われています。同センター東病院(千葉県柏市)に設置されている障害者雇用の拠点「オフィスワーク」には、知的障害や精神障害のあるスタッフ14名とジョブコーチ2名が所属し、医療系の業務や事務系の業務を院内の各部門から受注し、いきいきと働いています。東病院のジョブコーチで当ネットワークメンバーの小泉聡子さんから、東病院での障害者雇用の取り組みについての最新資料を紹介いただきました。多様な業務の内容が写真入りで紹介されるとともに、日常業務の進め方や新規業務の切り出し方なども記載されており、これから障害者雇用に本格的に取り組むことを検討している医療機関にとって、有意義な情報が満載されています。

(リンク)「国立がん研究センター東病院での障害者雇用の取り組み」

特定非営利活動法人WEL’Sの主催による第1回「公務部門に関わる障害者雇用関係者連絡懇談会」が令和元年11月18日にちよだプラットフォームスクエア(東京都千代田区)で開催され、中央省庁や区の人事担当者、ハローワーク、就労支援機関等から49名が参加されました。会では、当ネットワークの依田から「公務部門の障害者雇用『成功への道筋』」について話題提供するとともに、東京都教育庁サポートオフィス「パレットの取り組み」について東京都教育庁総務部総務課の寺島さんから実践報告が行われた後に、5つのグループに分かれてグループでの意見交換が行われました。障害者雇用を進める事業所と障害者雇用をサポートする支援機関の皆さんが情報交換する機会は、民間事業所では従来から様々な形で設けられてきましたが、公務部門にはこのような機会はほとんどありませんでした。会が終了した後も、立ち去りがたくお話されている公務部門の皆さんの姿を見るにつけ、障害者の受入れに苦労されている皆さんのお話を伺い、支援機関の側が助言やサポートする機会が求められていることを強く感じました。東京や大阪はもとより、各地でこうした機会が作られていくことを期待しています。

話題提供資料

 

国の機関の職員に対する障害者の職場適応支援者養成セミナーの東京でのセミナーの第3回目が、10月28日からTKP東京駅日本橋カンファレンスセンター(東京都中央区)で開催されました。セミナー初日には、当ネットワーク代表世話人の依田から「公的部門における職場適応支援者の役割」について2時間講義を行いました。セミナーには、国の行政機関、立法機関、司法機関から33名の方が参加されました。会を重ねるごとに参加者が増え、また、関東以外の地域(北海道、宮城、愛知、広島、香川、福岡)からも参加者がありました。

セミナー資料は基本的には前回と共通ですが、「公務部門の障害者雇用の現状」と「中央官庁での障害者雇用成功への道すじ」の資料を追加しています。

講義資料

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が実施している、日本看護協会の認定看護管理者教育課程サードレベルの研修において、当ネットワークから講師として参加し、3時間の講義を行いました。研修には、JCHO病院を中心に大学病院や公立病院、民間病院22病院から23名の受講がありました。前半の講義では、医療機関が障害者雇用に取り組む意義を説明するとともに、実際に障害者が医療部門で働く状況について、国立がん研究センター中央病院の例を観ていただきました。後半ではグループワークを行い、(1)看護職の負担軽減のために知的障害や精神障害のあるスタッフ4~5人のチームに仕事を発注するとしたら、どのような仕事をお願いしたいか、(2)職場でコミュニケーション等に問題のある自閉症スペクトラム(ASD)の看護職がいた場合、どのような仕事なら頑張ってもらえそうか、という2つのテーマで意見交換をしてもらいました。

(1)のテーマについては、講義資料に掲載されている業務のほか、薬剤部から病棟に届く患者ごとの1週間分の薬剤を各回分に分ける作業のほか、定数管理している病棟の備品数の確認、病棟での薬剤等の期限切れの確認など、現場で助かる業務について様々な意見が続出しました。前半の講義で解説した、業務の切り出しが看護師の「働き方改革」につながるという趣旨が理解され、自分たちの問題として前向きに意見が交わされる姿が印象的でした。

(2)のテーマについては、手術室、透析室、放射線室、内視鏡室なら、コミュニケーションが苦手でも働けて、専門資格も取得できるためモチベーションが持てるといった意見がありました。一方で、中央材料部門やME室などで看護師でなくてもできるような業務だと、周りの看護職から「同じ給料をもらっているのにおかしい」という批判が出るとの指摘がありました。看護部長室に配属して事務補助業務をさせることにも、同様の問題があるとの意見がありました。こうした意見に対して、一般的な看護業務のほかにも、感染制御や医療安全など看護職の専門性が不可欠な業務もあり、そうした業務を集めて1人分の仕事を作り出すことも可能でないかとの意見が出て、受講者の皆さんも賛同されました。このように看護職としての一纏めの仕事を作り上げ、周りの看護職にきちんと説明して理解を求めることも、看護管理職の大事な役割だという結論になりました。このやり取りを聞いていて、障害者雇用のノウハウが、現職の看護職の抱える問題の解決にもつながることを、改めて感じさせられました。

講義資料

 

平成30年夏以降、国及び地方公共団体において障害者雇用率の算定が不適切に行われていたことが明らかとなり、多くの機関で法定雇用率に比べて障害者の雇用数が大幅に不足していることが判明しました。このような状況を早期に改善するため、ごく短期間のうちに多数の障害者が試験や面接だけで採用され、公務部門の様々な職場に配置されていきました。その結果、職場の戦力となれずに、障害者本人にも周囲の職員にも負担となる状況が生じている職場も多いようです。

障害者の就労支援の世界で蓄積されてきた本人支援や事業所支援があれば、もっと本人の能力が生かされ、職場の戦力となって、周囲の職員の「働き方改革」にもつながる障害者雇用が実現できることでしょう。そのような具体的な事例は、民間事業所には数多く見出すことが可能です。一方で、公務部門の採用手続や業務は、民間の事業所とは異なる面もあるため、公務部門での障害者雇用の事例・情報・ノウハウを知りたいというニーズも高まっています。

こうした状況を踏まえ、実際に公務部門で障害者雇用を先進的に進めておられる皆さんの協力の下に、国や地方公共団体等で障害者雇用に取り組む上で役立つ情報を提供するため、「公務部門の障害者雇用情報サイト」を開設することとしました。

本サイトにおいては、公務部門の障害者雇用に関する国の指針・通知・マニュアル等のほか、公務部門の障害者雇用の事例、現場に役立つノウハウなど、幅広い情報を発信をしていきたいと考えています。

「公務部門の障害者雇用情報サイト」

運営代表  依田晶男