新着情報

8年ぶりに地域の障害者支援の現場に戻りました。障害者雇用の対象に関係なく、発達障害者の雇用の在り方についての問題について学んで行きたいと考えています。

昨日、9月3日より当病院の障がい者雇用の一環として、当事業(薬剤搬送)、が始動しました。私自身も当事者として就職しました。過去には総合リハセンのスポーツ指導員や健常者と共にSPD業務に従事した経験を持っています。今後の当病院の今後の事業拡大・展開の為に皆さまと情報交換・交流を図りたいと考えています。宜しくお願い致します。

障害者を初めて雇用する場合だけでなく、身体障害者の雇用に加えて新たに知的障害者や精神障害者の雇用を始めようとする場合にも、どんな仕事が良いかと悩まれることが多いと思います。本ネットワークのホームページでは、障害のあるスタッフが医療機関で実際に従事し、定着している職域の例を数多く紹介していますので、その中から自院に合ったものを選んでいただけるかと思います。

切出し業務の具体例

こうした職域の例示に加え、知りたいと思った特定の業務について、実際の職場での具体的な事例を知りたい場合に役立つのが、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する「障害者雇用事例リファレンスサービス」です。

「障害者雇用事例リファレンスサービス」

「障害者雇用事例リファレンスサービス」では、障害者雇用について創意工夫を行い積極的に取り組んでいる事業所の事例や、合理的配慮の提供に関する事例について、検索することができます。障害者雇用の現場の個別実例については、なかなか知る機会が少ないものですが、この検索サービスでは事業所名等も見ることができます。業種別の検索も可能なので、医療機関での雇用事例を調べたい場合は「医療・福祉業」を選択します。また、障害種別での検索も可能で、視覚障害、聴覚・言語障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病、その他の10種類の中から、検索したいものに絞り込むことができます。更に、フリーワード検索機能があるので、「看護補助」「事務補助」「調理補助」「清掃」「運搬」「印刷」「シーツ交換」「食事介助」など、知りたい事項を入力して検索すれば、同種の業務を行っている事例を調べることもできます。これらの検索機能を活用することで、自院で検討する障害種別や想定業務について、先行して実施している医療機関での詳細な情報を入手することが可能になります。

先日、四国地方の医療機関の方から、精神障害や発達障害の方の医療機関の厨房での雇用事例について相談された際にも、「障害者雇用事例リファレンスサービス」を紹介し、フリーワードに「厨房」を入力して検索するようお勧めしたところ、具体的な事例を知ることができ大変参考になったとのお返事をいただきました。

4月から平成30年度診療報酬改定が施行されました。今回の改定は、2年ごとの診療報酬改定と3年ごとの介護報酬改定が重なる6年に1度の同時改定であり、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、医療介護体制を整備する大きな見直しとなりました。入院ベッドのある病院においては、入院基本料の見直しへの対応が課題となり、地域医療構想とも関連して、地域の中での自院の立ち位置の検討を迫られています。一方、今回の改定では「働き方改革」を進めるための措置も講じられています。医療専門職の負担を軽減する観点から、医師や看護職員をサポートする医療事務や看護補助の業務を行う者の配置に対する診療報酬の加算(医師事務作業補助体制加算、急性期看護補助体制加算、看護補助加算など)が引き上げられました。例えば、急性期看護補助体制加算では、病棟への看護補助者の配置状況により、入院1日当たり80点から160点までの4段階の加算点数が設定されていますが、今回の改定でいずれの点数も50点(500円)引き上げられました。急性期看護補助体制加算は入院日から14日間を限度に支給されますが、患者1人1日当たり500円引き上げられることは、単純に計算して、入院患者が1日平均300人の病院で入院期間14日以内の割合が6割の場合には、年間3,285万円の収入増を意味します。ところが現実には、近年の経済環境の改善に伴い、看護補助者の確保に苦労されている病院は多く、算定中の加算維持すら危ぶまれる状況にあります。仮に、入院患者が1日平均300人の病院が最下位の加算を取得していた場合でも、加算維持が困難となり失う金額は年間5,256万円(改定後は8,341万円)にもなります。

こうした中で、知的障害や精神障害のあるスタッフが、対人サービス以外の業務を中心に看護補助業務に関わり、加算の取得や維持に貢献する動きも増えてきました。今回の診療報酬改定を追い風にして、障害者雇用の看護補助業務での職域開拓を考えられる病院関係者の皆さんには、看護補助業務における障害者雇用の先進事例について、病院見学も含めてご紹介しますので、ご希望があれば以下までご連絡ください。mediem.net@gmail.com

「医療機関の障害者雇用ネットワーク」には、障害者を雇用する医療機関のほか、障害者の一般就労を支援する就労支援機関、教育機関、医療機関、行政機関等に所属する皆さんや専門家89名(平成30年4月1日現在)が参加されています。

参加者名簿(平成30年4月1日現在)

参加資格はホームページに掲載しており、ホームページから参加手続が可能です。

参加資格と参加手続の紹介

 

 

 

ドラッグストアの薬剤師向け月刊誌「DRUG magazine」(クリニックマガジン社発行)の2018年4月号の「インタビュー」コーナーに、当ネットワーク代表世話人依田晶男のインタビュー記事「障害者雇用を進めると周囲の職員の働く姿勢も変わる」が掲載されました。薬剤師を配置して処方箋に応需し、かかりつけ薬局を目指すドラッグストアでも、法定雇用率への対応が課題となっています。加えて、人材確保等の面から障害者雇用に積極的に取り組むドラッグチェーンも出てきているそうです。インタビューでは、当ネットワークのホームページについて紹介し、ネットワークを通じて障害者雇用の体験を共有することの大切さについて、病院での具体的な雇用事例も紹介しながら解説しています。また、障害者雇用の有無が職場復帰者の定着率に影響するという調査結果を紹介し、「健康経営」の実現に欠かせないメンタルヘルス環境の改善に障害者雇用が効果的であることを説明しています。障害者雇用の促進という社会的な要請の高まりに応えるだけでなく、「対人」が主軸である医療提供施設である薬局の接遇改善にもつながるとの雑誌編集部のコメントには、大いに共感させられました。

大規模な病院グループに属する関西地方の民間病院では、障害スタッフ14名のうち8名を精神障害のあるスタッフが占めています。この病院では、精神障害のあるスタッフをハローワーク経由で採用しており、支援機関が付いていることを採用条件にはしていませんが、実際には支援機関の支援を受けている方も多いようです。採用の際は、まず院内から候補となる業務を切り出し、それをまとめて例えば「事務補助」で職員を募集し、面接の中で具体的にどの職場の業務に合うかマッチングを検討します。

採用に際しては、想定した仕事の水準さえクリアできれば、最初は半日勤務の週2日からでも受け入れているそうです。週20時間未満の勤務では、障害者雇用率にカウントできませんが、業務とのマッチングさえ良ければ次第に働ける時間も長くなり、雇用率のカウントも可能になるので、長い目で見ているそうです。

総務課でホームページ作成を担当しているスタッフは、もともと資料のコピーを中心とした事務補助業務に応募しましたが、出版社でのパソコンを使ったデザイン作成経験があることが面接で分かり、ホームページ作成の業務があることを話したところ、本人も関心を示し、現在の業務になったそうです。パソコンでの仕事中の本人にお会いし、これまでに作ったチラシを幾つか見せていただきました。パソコンで作成した人物や植物のデザインは、パステル調の色合いで温かみがあり、とても素敵なものでした。チラシの内容に即したデザインを院内で作れるため、患者さん達からも親しみを持たれていて、病院の広報面での強みとなっているとの説明にも納得できました。

臨床医向け総合情報月刊誌「CLINIC magazine」(クリニックマガジン社発行)の2018年3月号の「視点」コーナーに、当ネットワーク代表世話人依田晶男のインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「障害者雇用で病医院の効率性と生産性が向上、職員満足度も高まる」です。当ネットワークの設立の趣旨や医療機関での障害者雇用業務の具体例、健康経営の実現にも関係することなどを説明しています。当ネットワークのホームページについても紹介しています。今回の企画は、2018年4月からの法定雇用率の引き上げを控え、医療機関で障害者雇用に対する関心が高まっていることが背景にあります。今後とも、病院だけでなく規模の小さなクリニックでも、障害のあるスタッフが働ける仕事がたくさんあること、障害のあるスタッフが働くことで職場にも様々なメリットがあることなど、あらゆる機会にお伝えしていきたいと思います。

障害者雇用を始めた医療機関では、職場の雰囲気が良くなったという話を多く聞きます。その際に共通しているのは、彼らの挨拶が職場を変えたということです。毎朝の挨拶の大切さは、産業保健の専門家の間でも、特に注目されていることです。挨拶するということには、相手を1人の人間として尊重しているという、明確なメッセージが込められているからです。挨拶された相手は、「自分はこの職場にいてもいい存在なのだ」と自己を肯定的に考えることができます。

一方、お互いの挨拶もなく自己肯定感の得られない職場では、職員の間に孤立感が広まり、人間関係のトラブルが生じたり、体調不良で生産性が低下する職員も出てきます。こうした状況を放置すれば、患者さんへの対応という医療サービスの質の面にも影響が生じかねず、早急に改善したいところです。そのために効果が期待される具体的な対策の一つが、朝の挨拶なのです。そうはいっても、これまで挨拶が交わされていなかった職場では、いきなり挨拶するのに抵抗感のある職員もいるものです。挨拶しても挨拶を返してもらえず、かえってストレスが溜まることもあるでしょう。

そのような時に、障害のあるスタッフが職場に加わることで、大きな変化が生じます。特別支援学校や就労支援機関では、繰り返し挨拶の大切さが教えられています。「おはようございます」「こんにちは」「失礼します」といった挨拶を、相手の顔を見ながら一人一人に対して丁寧にすることです。相手が返事を返してくれなくても、繰り返し元気に声をかけ続ける姿は、彼らの持つ「強み」となっています。その「強み」を職場で活かせるようにすることで、最初は挨拶することに抵抗感のあった職員も、次第に自然に挨拶を返せるようになるでしょう。職場全体のメンタルヘルス環境が改善していけば、職員から患者さんへのちょっとした気遣いや声掛けもスムーズに行われるようになり、雰囲気の良い病院として地域での評判が高まることにも繋がるでしょう。