新着情報

患者さんや家族からのご意見をいただくご意見箱は、どの病院にも設置されていると思います。関東地方にある県立の小児病院では、小さな子供の患者さんや兄弟姉妹が多く来院するため、玄関でベビーカーの貸し出しを行っていますが、ある時、利用者からご意見が寄せられました。ベビーカーが汚れるのは仕方ないとしても、もう少し綺麗にしてもらえると有難いというものでした。この病院では、障害のあるスタッフの職域を広げるため、新たな仕事を捜していたところだったので、早速、作業の手順を定めてベビーカーの清掃を始めました。暫くして、ご意見箱にはベビーカーが綺麗になって大変うれしいという感謝の声が届きました。

特別支援学校生徒の実習・就職先として医療機関からの問い合わせが増えています。医療機関での仕事の内容を紹介するうえで等ネットワークの掲載内容は参考になっています。

本校は平成27年4月に開校しました。医療機関で就労することを希望する生徒が多数在籍しております。このネットワークを通して、彼らの願いが叶えられますことを期待しています。今後ともよろしくお願いします。

三重県では、障がい者雇用が進んでおらず毎年最下位におりましたが、鈴木知事の取組みが奏功し、26年度では1.79%と全国で33位に改善しました。

厚生連では、平成25年2月1日に、本会100%出資の子会社、障がい者多数雇用の特例子会社「㈱三厚連ウイズ」を設立し、同年3月28日に特例認定を受けました。

現在、障がい者20名(知的16名、精神4名)と職場支援従事者7名、管理者等3名の30名が勤務しております。設立当初の25年度は、鈴鹿中央総合病院 (460床) にてベットメイキン グや清掃業務を中心に受託しました。その後、26年度に松阪中央総合病院(440床)、27年度からは菰野厚生病院(230 床)・鈴鹿厚生病院(精神334床)に事業を展開しました。主な業務は、ベットメイキン グや清掃など病棟・ 病室美化事業です。

設立から2年が経ち、彼らの習熟度も上がり、また熱心さも伝わり、職員からの評判は上々です。

設立以前は、障がい者雇用を各病院に任せていましたが、病院自体で取組むには限界があり、また業務の切り出しも出来ず、雇用は進んでいませんでした。 障 がい者雇用に関する知識や使命感がない中では、仕方のないことだったと思い ます。

このことから本会では、理事長が「障がい者雇用に積極的に取り組む」との方針 を示し、①法定雇用率の達成 ②ノーマライゼーションの理念の推進(CSR)を目的に、特例子会社設立に向けて検討を始めました。

業務の切り出しについては、他の特例子会社の業務を参考にしたほか、看護部を巻き込んで検討した結果、①病棟・病室美化事業(ベットメイキン グ・清掃等) ②中材業務受託事業(器材の洗浄等) ③院内売店事業 ④印刷物・日用雑貨・生活用品等販売事業 ⑤洗濯業務受託事業 ⑥医療事務代行事業 を事業としました。

企業には、社会的責任や使命、強き思い、志がなければいけませんし、障がい者を雇用するということは、本人だけではなく家族も含めた、将来にわたる責任があることを覚悟しなければいけません。

助成金が少ない中で、特例子会社を経営することは難しいことですが、なんとか独り立ちできるよう取り組んでいきたいと考えています。

本校は軽度の知的障害のある生徒が職業教育を受けて企業就労を目指す学校として平成27年4月に開校しました。授業の一環として、医療現場などでの実習を受け入れていただく企業を探しています。現場実習は生徒一人一人が卒業時の進路決定に向け、より具体的な目標を見つける大切な機会と考えています。受け入れていただける医療機関や企業の皆様が、現場実習を通し、本校の生徒についての理解を深めていただき、雇用についてもご検討いただく機会になれば幸いです。また、様々なご意見をいただき、学校現場での指導に活かしていければと思っています。

15年間、精神科病院で精神障がいのある方の相談や就労・就業支援をしてまいりました。また、山梨県内の就労支援ネットワーク構築や人材育成にも力を入れてまいりました。現在は、山梨大学の中で障がいのある学生の修学に関する相談を行っております。精神障がいは、他の障がいに比べ、疾患は誰にでも罹る可能性があるにも関わらず、自己認識することが難しく、自分にも周りにも分かりにくい障がいとして、取り残されている感があります。そのため、このようなネットワークを活用し、時間をかけて、根拠のある良質な情報を共有していかなくてはならないと考えます。今後も、皆さまのネットワークの活動と平行しながら、山梨で活動していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 

国立がん研究センター中央病院で障害者雇用を始める際、私たち看護部門に戸惑いがなかったわけではありません。障害のあるスタッフを病院に受け入れた経験がなく、未知の世界だったからです。障害者雇用を進めなければいけないことは理解していましたが、どのような仕事がどこまでできるのか、分かりませんでした。

平成23年4月に知的に障害のある5名の方が雇用され、郵便の仕分けなどの事務部門の仕事を中心に業務が開始されました。看護部門からは現場の意見を踏まえて、看護業務の片手間に行っていた点滴針の固定用テープカットの仕事をしてもらうことになりました。がんの専門病院なので点滴の量も半端ではなく、この作業から解放させてもらえるだけでも有難かったのです。実際に仕事をしてもらって、彼らがひたむきに仕事に取り組む姿に加え、衛生面への配慮や仕事の出来栄えに感嘆させられました。このことで、彼らに仕事を委ねることへの抵抗感はなくなり、病棟での上掛け布団の包布や薬剤カートの運搬など、医療現場の業務は着実に増えていきました。内視鏡の洗浄のような仕事も任され、仕事の丁寧さが担当医師からも高く評価されるなど、まさに医療の第一線で医療チームの一員として活躍している印象です。

看護部長としては、足下の看護部の事務作業にも随分と協力してもらっています。看護師の募集要項の依頼があった時など、事務職員が配置されていない当院では、看護部の幹部職員が袋詰めや郵送をしていましたが、今は障害のあるスタッフにお願いしています。アンケートの集計、看護部から病棟への書類の配送、不要な書類のシュレッダー作業もしてもらっています。これらはどの病院の看護部にもある仕事でしょうから、まずは看護部の事務作業から始めて病棟業務に拡げていくのも良いかと思います。

当院の看護スタッフは、がんの先進的な治療に携わることに誇りを持って働いていますが、そのような職場であればこそ、なおさら人の気持ちが分かるような人でいて欲しいと願っています。知的障害のあるスタッフと日常的に話を交わす機会があることは、有機的な人間関係を作る意味でも良い影響を与えてくれていると思います。これも障害者雇用の思いがけないプレゼントなのかと感じています。

国立がん研究センター中央病院看護部長 那須和子

関東地方にある国立研究開発法人運営の病院は、職員数が約2,000人。毎日配達される大量の郵便物を組織ごとに仕分けるのは、知的障害のあるスタッフですが、全職員の氏名と所属を覚えていて、瞬時に仕分けしていきます。常に職員の転出入があるため、スタッフは異動した職員のリストを手に、最新の情報を頭に入れる努力を続けています。この病院には研究所も併設されているため、外国からの郵便物も多いのですが、全文英文で書かれた宛先でも瞬時に仕分けしていきます。アルファベットの氏名さえ読み取れば、所属は覚えているので正確に仕分けできるのだそうです。

東京精神科病院協会研修会

講演資料1

講演資料2